2020 Fiscal Year Research-status Report
自然体験学習の客観的評価を指向した工学的視線計測手法と従来教育評価法との比較
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20K20813
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 和彦 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (70707075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 崇行 富山県立大学, 工学部, 准教授 (50381687)
桜井 良 立命館大学, 政策科学部, 准教授 (40747284)
松本 朱実 近畿大学, 生物理工学部, 非常勤講師 (40836566)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 自然体験 / 教育評価 / 視線計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、屋外で実施される体験的な学習を対象として、工学的手法を用いて計測・推定された視線データの教育評価における解釈について、従来の教育評価手法で得られる結果との関係を検討するものである。今年度は、各自が担当する評価手法に関する検討をそれぞれ個別に行うとともに、研究代表者・分担者の全員による打ち合わせにより実験計画の再検討を行った。 工学的手法による視線の計測・推定については、カメラを用いたハードウェア機器の精度を確認し、それらを頭部に装着するための重量やバッテリー持続時間を含めた総合的な検証を行った。また、より単純なウェアラブル加速度センサによる計測の有用性についても合わせて検討し、集団屋外教育中の頭部運動最大発生タイミング±10秒間の頭部角速度を入力とした場合にF値が0.84で最大となった。 視線データと質問紙法との比較に関しては、中学校における海洋学習プログラムの評価研究を事例としてリッカート尺度による質問紙調査を行い、工学的手法による視線データとの比較に有用な尺度の検討を行った。 観察・談話分析・インタビュー調査法との比較に関しては、動物園での体験学習プログラムの実践研究と質的な評価を事例として、小学校と動物園との連携プログラムの評価を教師、職員と協働で行い、これを通して工学的手法による視線データとの比較に有用なパフォーマンス評価の項目を検討した。 以上の成果を踏まえて実験計画を再検討した結果、実験の実施地を富山県に変更することが妥当と判断された。また、その実施に向けた調整を担う研究分担者追加の必要性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染症拡大の影響を受けたこともあり、当初に予定していた長野県における実験の実施が困難になり、実施場所を改めて検討する必要が生じたため、やや遅れが生じている。次年度から実験実施に向けた調整を担当する研究分担者を追加することで、この遅れに対応する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19感染症が引き続き蔓延することが予想されるため、研究代表者・分担者および実験対象者の移動ができるだけ少なくなるような屋外での自然体験フィールドを選定する必要がある。具体的な候補地としては、富山県内の里山もしくは動物園などを検討している。これに際して、富山県内で自然体験学習を実施するための調整にあたることのできる研究分担者を追加する。 以上のように実験の実施地を変更したうえで、当初の予定通りの内容で実験を行う。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染症拡大の影響を受け、打ち合わせおよび実験実施地への旅費を使用しなかったため。翌年度分は、新たに追加する研究分担者へ配分するとともに、打ち合わせおよび実験実施地への旅費として使用する。
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