2021 Fiscal Year Research-status Report
大学生による若者のゲートキーパー養成講座のプログラム開発とその実践
Project/Area Number |
20K20820
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
茅野 理恵 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (60754356)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 紀枝 長野県立大学, グローバルマネジメント学部, 教授 (50349172)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
Keywords | ゲートキーパー / 大学生 / ピアサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、若年層の自殺予防の取り組みの充実が喫緊の課題である中、大学生がゲートキーパーとして実際に機能できるために有効な知識や技能を明らかにすることを通して、ピアサポーターによる若者向けゲートキーパー養成講座のモデルとエビデンスを提供することである。この目的を達成するために、本研究では、大学生を対象とした質的調査と量的調査のデータを土台とし、ピアサポーターによるゲートキーパー養成講座だからこそ有効となるプログラム内容を明らかにし、これを実施する。講座の実施については、複数の大学が合同で講座に参加できる形で実施し、さらにプログラムの効果の検証を行う。 2021年度は、研究実施計画に則り、前年度のゲートキーパー養成講座を修了した臨床心理学を学ぶ大学院生8名を構成員としてプログラム開発チームを構成し、2020年度に作成したプログラムについての課題点を検討し、プログラムの修正作業を行った。プログラム開発に有効となる知見を明らかにするため、大学生活の中で大学生がとらえる友人のサイン、見落としやすいサイン、友人のサインへの関わりを回避する要因、大学生特有の気軽な相談のしづらさの要因などについて、2020年度に実施したインタビュー調査に加え2021年度はさらに13名へのインタビュー調査を実施した。このインタビューデータをもとに、量的調査を実施するための調査用紙を作成し、2021年度末から2022年度初頭に大学生を対象に調査を実施した。プログラム開発チームにより作成されたプログラムは、2021年10月と2021年11月に講座を開催し実施し、プログラムへの参加による効果についての測定も実施した。「まんえん防止等重点措置」の適用により予定の講座数を実施できなかったが、2020年の2大学から2021年度は3大学に拡大して実施することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、2020年度に開発したピアサポーターによる若者向けゲートキーパー養成講座のプログラムについて、課題点を検討し、インタビューデータを活かした修正を繰り返すことでブラッシュアップすることができた。ブラッシュアップしたプログラムは、「まんえん防止等重点措置」などによる制限もあったが、3大学連携での講座を実施し、ピアサポーターと参加者の両者の効果についての測定も行うことができた。大学生活の中で大学生がとらえる友人のサイン、見落としやすいサイン、友人のサインへの関わりを回避する要因、大学生特有の気軽な相談のしづらさの要因などについての量的調査については、2021年度中に実施の予定であったが、インタビュー調査を増やしたことで若干の遅れが生じた。しかし、2021年度末から2022年度初頭にかけて実施している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究実施計画では、まずプログラムについて、2022年度の初頭で実施する量的調査のデータを活かし、ピアサポーターの参加により2021年度版からさらにブラッシュアップさせる。ブラッシュアップしたプログラムを、ピアサポーターが大学生を対象に複数回実施し、ピアサポーターと参加者の両者への効果測定を行う。講座の実施に際しては、2021年度よりもにさらに連携大学数を拡大させる。また、当初の研究計画から内容を拡大し、若者向けゲートキーパー養成講座を実施することのできるピアサポーターを養成する講座のプログラム開発に着手する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止のため、参加予定であった関係学会の年次大会がオンライン開催となったため、当初予定したもののうち、主に旅費の使用が困難となった。残額については、当初の研究計画にさらにあらたなピアサポーター養成のプログラムの開発を加えているため、調査データの入力補助や結果の分析補助などの謝金としての使用を予定している。
|