2021 Fiscal Year Research-status Report
留学はいつまで越境か;学生モビリティの将来に関する探索的研究
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20K20825
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 佐知彦 大阪大学, 国際教育交流センター, 教授 (70335397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 昭子 国際武道大学, 体育学部, 准教授 (70781847)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 留学 / 越境 / インターネット / 留学生教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでは「留学体験は越境体験」というパラダイムは大前提とされてきた。しかし科学技術はその枠組みも変えるかもしれない。そういう未来的な問題意識で取り組んだ本課題だったが、パンデミックによる渡航の不能は、このパラダイムの再検討はきわめて今日的課題になった。 研究計画では課題先進地での聴き取りや、実地の見学・調査を計画していた。しかし渡航が制限されているなかで、調査や聴き取りおよび発表については、計画の大きな見直しを余儀なくされた。2021年度については複数のコンフェレンス等へ参加したが、その多くがオンラインによる参加となり、かろうじて米国でおこなわれたAIEAには対面で参加して研究発表をおこなった。その際には現地の留学プログラムのステークホルダー達と意見交換をおこなう機会を得た。 調査の内容としてはDr Murakami(英Bath大)等を通じた海外事情の聴き取り・情報収集に取り組むとともに、新たな分担者を加えて「母国と常時繋がっている現代の大学生」にとっての留学経験についての新たな調査軸を用意した。 日本語教育によって外国人留学生に広範なネットワークを有する工藤昭子准教授(国際武道大)を分担者に迎え、2021年度からは国内の留学生のインターネット使用に関する調査を本格化させている。国内で日本語学習(座学中心)する中国人学生のネット使用実態については2022年3月のAPAIE(オンライン)会議で発表している。それに加え調理師専門学校のように、ホスト文化への依存度が高く、また師弟関係的人間関係がまなびの中心におかれるタイプの留学生についてアンケート調査を実施し、次年度の国際会議での発表に向けて対比分析に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では課題先進地での聴き取りや、SXSW等のテクノロジー見本市への参加を企図しており、実地の見学・調査を考えていた。しかし渡航が制限されているなかで、調査や聴き取りおよび発表については、渡航して調査については大きな見直しが必要となった。2021年度については海外コンフェレンス等へは複数の参加実績があるが、一件を除いてオンライン参加である。かろうじて米国でおこなわれたAIEAには対面で参加した。そのAIEAでは研究発表をおこなうと共に、現地の留学プログラムのステークホルダー達と意見交換をおこなった。 また、昨年度から引き続いて海外協力者の一人であるDr Murakami(英Bath大)等を通じて海外事情の聴き取りに取り組んでいる。 また仮想空間では「人間関係」も「学び」も容易に国境を越えている、という事実を直視し、そもそも身体が異国にあったとしても「母国と常時繋がっている現代の大学生」にとっての留学経験は、プレ・スマホ時代のそれと同質なのか、という疑問について、新たに工藤昭子准教授(国際武道大)を分担者に加え、調査課題として焦点化することにした。 工藤准教授は日本語教育が専門で、外国人留学生に広範なネットワークがある。国内で日本語等を学ぶ外国人留学生のインターネット使用に関する調査に関しては、工藤准教授の人脈や専門性を活用し、その結果は紀要でも発表している。同時に関連事項については2022年3月の国際会議であるAPAIE(オンライン)でも共同発表している。 現在は座学で学ぶ学生に加え、ホスト文化への依存度が高く、また師弟関係的人間関係がまなびの中心におかれるタイプの留学生、例えば調理師の専門学校や伝統に根ざした武道(マーシャルアーツ)を学ぶ学生に関してもアンケート調査を実施し、現在は対比分析に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
渡航が制限されているなかで、調査や聴き取りおよび発表については、引き続いておおきな制限を受けている。2022年度以降についても留学生教育に関する国内外のコンフェレンス等への積極的な参加をはかると共に、事情が許せば、今後はテクノロジー見本市等への参加も考慮する。それらの場では研究発表をおこなうと共に、現地の留学プログラムのステークホルダー達と意見交換をおこなう。 また海外協力者の一人であるDr Murakami(英Bath大)等を通じて海外事情の聴き取りに取り組んでいるが、先進地である欧州もしくは米国を訪ねての調査についても、実施出来る状況になることを期待している。そして、現在国内で取り組んでいる日本語学習留学生および「文化依存度の高い留学生」とのあいだでのインターネット使用の実情などについて対比分析をすすめる予定である。それらの結果について広く内外に広報すると共に、代表者が会長をつとめる留学生養育学会(JAISE)や理事となっているグローバル人材育成教育学会(JAGCE)、また監事を務めるJAFSAなどのネットワークを活かし、様々な視点を持つ多様な関係者からの意見を聴取し、今後期待できる研究の発表に厚味を加えていくことに務めたい。
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Causes of Carryover |
2021年は年度末になって海外渡航の可能性について「薄日」がさしつつある。しかし全般的には、今年度については措置された海外旅費の有効利用が出来ない状況が続いてきた。海外渡航が自由になる時期を期して海外での聴き取りおよび調査、並びに発表の機会を増やす。
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Research Products
(3 results)