2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K20832
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
磯崎 哲夫 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (90243534)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 康雅 三重大学, 教育学部, 准教授 (00378283)
野添 生 宮崎大学, 教育学部, 教授 (20751952)
川上 貴 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (90709552)
大谷 忠 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (80314615)
西村 圭一 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (30549358)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 科学教育 / STEM教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究目的に従って理論的研究と実証的研究の両方を実施した。 理論的研究として、まず、歴史研究から、日本の理科教育の特色を明らかにした。また、日本の教師教育のうち第二次世界大戦以前の高等師範学校における教員養成教育は、自然科学系プログラムにおいても、数学や技術系科目を履修するようになっており、STEM教育を担う教員養成教育を考える上で参考になることを指摘した。諸外国の教育について、アジア諸国のカリキュラムを比較し、日本の理科教育の特色を明らかにした。次に、欧米諸国に関し、イギリスにおける現職の教師教育では、全国的なSTEMセンターが、生涯にわたる教師としての専門的成長の視座から、学校や教師を支援するプラットフォームの役割を担っていること、オーストラリアの統計教材の研究成果の分析から、統計教材はわが国のSTEM教育で活用できる教材へと発展させることが可能であること、などを見いだした。さらに、諸外国のデータと比較しながら、日本のSTEM分野における労働力の現状と学校教育におけるSTEM人材輩出の状況を分析し、日本のSTEM教育推進に関わる4つの課題を指摘した。また、日本の工学教育の課題として2点を指摘した。 実践的研究として、理論的研究を踏まえ、算数・数学教科書の統計教材からSTEM教材へ再教材化するアプローチの可能性について事例的に検証を行った。さらに、STEM教育では、大学、教育産業やNPO、地域社会などとの協働が求められていることを勘案し、地域の社会課題を見いだし、それを新たな交通サービスMaaS (Mobility as a Service)により解決する方策を立案する、シミュレーション型の教材を開発した。この他に、PBL(Project Based Learning)教育を導入したSTE(A)M教育の展開について検討し、大学における木材工学の授業で実践を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者および研究分担者がそれぞれの役割のもとで、研究を推進しており、その成果を国内外の学会等で発表(論文や書籍の出版を含む)しており、批評を受けている。それらの意見等を研究に取り入れている。 研究で得られた知見を教員養成プログラムに反映させたり、学校を含めた教育の場に還元する試みも行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年度であり、これまでの研究成果を総括する。これまでと同様に国内外の学会で発表をして、批評を受ける。それを研究のまとめ等に取り入れる。特に、国内の学会において、本研究課題に代表者や分担者以外のSTEM教育研究者の参加も得て課題研究を実施し、意見交流を行う。 本研究課題の代表者や分担者以外にも、STEM教育研究者の参加を得て、日本語と英語による書籍の出版を計画し、研究知見を国内外に発信することを試みる。
|
Causes of Carryover |
発表要旨が受理された国際学会が、オンライン開催になったり、現地開催であっても渡航制限等により参加できなかったため、次年度使用額が生じた。 本年度は最終的なまとめをする年度であることに鑑みて、研究のまとめに必要な諸経費(書籍を中心とした設備費や消耗品や国内旅費等)として活用する。また、本年度も発表を予定している国際学会や国内学会もオンラインで開催されるため、口頭発表以外の研究成果の発信のために必要な諸経費(論文投稿や書籍出版等に関わる経費)に充てる。
|
Research Products
(15 results)