2020 Fiscal Year Research-status Report
75歳現役社会における教職セカンドキャリア論の構築
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20K20836
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
露口 健司 愛媛大学, 教育学研究科, 教授 (70312139)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 教育学 / セカンドキャリア |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、国内における教員のセカンドキャリアの実態解明のためのデータ収集を実施した。COVID-19の影響で県外調査が困難であるため、対象を移動可能なA県内に絞り、現在学校に勤務している全ての再任用教員(61-65歳、常勤・非常勤)を対象とするWEBアンケートを実施した。再任用教員は、現役教員(22-60歳)と比較すると、ウェルビーイングとワーク・エンゲイジメントが高く、職能開発機会と抑鬱傾向が低いとする結果が得られた。職能成長をストップさせ、余剰力で教師としての楽しみを味わう、人生において大変豊かな時期であることが確認できた。今後の定年延長の効果を検証する際の比較データとしての価値を持つ。 セカンドキャリアを開発する講座として、チーム学校スペシャリスト養成講座(年間75時間)、教員免許状更新講習「ベテラン教員セカンドキャリア開発講座」(年間6時間)を試行的に実施した。セカンドキャリア開発に資する効果的な研修づくりを推し進めるための基盤整備を進めることができた。 なお、研究成果の一部は、放送大学テキスト『日本の教職論』「第15章:75歳現役社会における教職キャリア論」として所収される予定である。 ただし、本年度の調査研究では、66-75歳が射程に含まれていない点や、リーダー養成系の研修プログラム配置が認められない等の課題が認められる。これらの課題に応える調査研究を次年度は展開する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の影響を受け、全国各地を対象とする調査は断念したが、県内を対象とする大規模WEBアンケートの実施により、61-65歳を対象とする貴重なデータ収集に成功した。また、セカンドキャリア開発のための研修についても試行の実現に至った。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の影響を考慮すると、海外調査は困難であると推測される。そこで、2021年度は、2020年度と同様、県内の大規模WEBアンケートを継続する。また、B市教育会(退職教員の会)と共に、65歳以上の会員を対象とした質問紙調査を実施し、66-75歳範囲のデータ収集を試みる。 セカンドキャリア開発の研修についても、「チーム学校スペシャリスト養成講座」、「セカンドキャリア開発講座」に加え、「リーダー養成研修サポート事業」による早期リーダー養成講座を試行し、教諭後のキャリア開発支援の方法を提案する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響を受け、国内調査研究がほぼ実施できなかったため。残金は令和3年度のWEBアンケート実施費用に計上する。
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