2020 Fiscal Year Research-status Report
Is there any biomarker for Grit?
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20K20838
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
夏目 季代久 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (30231492)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | やりぬく力Grit / 勤勉性学習 / 無力感学習 / 高架十字迷路試験 / 回し車走行試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
やり抜く力Gritの学習には勤勉性及び無力感の学習が関与している。勤勉性及び無力感の学習時に脳内がどのように変化するかラットを用いた脳波測定及び神経調節因子測定を行う。Gritに対して勤勉性は正、無力感は負の相関があると考えられる。そこで、勤勉性の学習度と正の相関を持ち、無力感と負の相関を持つ、ラットの行動パラメータを測定出来る最適な課題を探し、それをラットのGrit運動指標とする。その後、そのGrit運動指標と相関のあるバイオマーカ(脳波、神経調節因子)Grit脳内指標を探索する。今年度は、勤勉性及び無力感学習動物モデルを作成しラットのGrit行動指標を決めるために、実験1を行った。実験1の内容は以下の通りである。 【学習性勤勉性ラットの作成とGrit行動指標の決定】ラットを2群に分ける。A群は床に餌を置きすぐに食べられる条件で飼育する。勤勉性学習するB群は、金網のすき間からしか餌が取れず、A群に比べて餌を取るのに苦労する条件で飼育する。両群2週間同一条件で飼育する。餌の取得量を2群で同一にするため体重を毎日測定し1日あたりの餌量を管理する。また毎日ハンドリングに適応させた。2群の学習結果を検証するために【高架十字迷路試験】、【回し車内での走行試験】を行った。両試験共に、1時間での行動観察から行動パラメータを求めた。 1)高架十字迷路試験では、A群に比べてB群ではOpen-arms entry回数は多く、Open-arms 滞在時間は長い傾向はあったが、有意差は無かった。2)回し車内での回転数を比較した所、A、B群両郡で差は無かった。以上の事から高架十字迷路試験でのOpen-arms entry回数、Open-arms 滞在時間がGrit行動指標候補と示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A、B両群の餌の与え方のプロトコールを確立し、高架十字迷路試験、回し車での測定システム、測定プロトコールを確立した。特に、その結果、高架十字迷路試験での行動測定に関してはKinect(Microsoft Co., USA)を用いた安価なシステムを開発した。高架十字迷路試験では、A群に比べてB群ではOpen-arms entry回数は多く、Open-arms 滞在時間は長い傾向はあったが、有意差は無かった。2)回し車内での回転数を比較した所、A、B群両郡で差は無かった。以上の結果が得られたので、上記評価を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
高架十字迷路試験、回し車試験での匹数を増やし、結果を確かなものにする。特に、高架十字試験でのOpen-arms entry回数、Open-arms 滞在時間がGrit行動指標になるかどうか調べる。その他に、「研究実績の概要」内のA、B両群ラットを用いて新規物体検索試験を行い、Grit行動指標になりうるか調べる。【新規物体探索試験】は認識記憶に関する試験である。ボール、三角錐、三角柱の3種の物体をフィールドに置きラットを慣れさせる。その後、1種を新奇物(直方体)に交換し新奇物の探索時間を測定する。制限時間5分内でこの試行を繰り返し試行回数を測定する。 次に、これまでの実験で求めたGrit行動指標に汎化性があるかどうか調べる。ラットを3群に分け、各群はスキナーボックス内でレバーを押すと餌が貰えるように学習させる。その時、A,B,Cの3群で餌を貰えるまでのレバー押し回数を変化させる。AよりCが困難状況で報酬が貰える事を学習しているので、勤勉だと予想される。この時、実験1で求めたGrit行動指標がA~C群間で有意な差が生じるかどうか調べる。
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Causes of Carryover |
研究計画を変更し、初年度に予定していた行動実験の一部(スキナーボックスを用いる行動実験)を2年目に移動したため
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