2021 Fiscal Year Research-status Report
幼稚園教師のわざとしての教師の動線と思考内容との関連
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20K20845
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
浅田 匡 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00184143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 孝尚 神戸大学, 附属学校部, 附属幼稚園副園長 (00868606)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 机上シミュレーション法 / 幼稚園 / 動線 / 思考内容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,保育場面における幼児の学習評価に関する評価モデルに基づき,教師の役割等に関するレビューを行なった。それに基づいて,3歳から5歳を担当している幼稚園教師を対象に,遊びの種類とその評価の観点および評価の方法,さらに評価場面における教師の役割についてのインタビュー調査をzoomにて行なった。その結果,欧米の評価モデルと異なり,日本の幼稚園教師は学問的能力(文字や数字,形)よりも発達的目標や社会的能力といったいわゆる非認知的能力を保育場面で重視し,子どもの遊びの観察を中心に評価をする傾向があることが窺えた。詳細な分析を現在進めているところである。 机上シミュレーション法に関しては,前述の遊びの評価という枠組みを踏まえ,机上シミュレーション法による教師の動線と思考内容に関する調査を2022年1月,2月に実施予定であったが,コロナ感染拡大を受け実施が困難になったため,2022年5月に4名の教師を対象にデータ収集を行ったところである。2022年度においても継続してデータ収集を行う予定である。データ収集が終わったところではあるが,インタビュー調査から,子どもの主体性を前提とし,それが発揮されるタイミングで教師が子どもと関わることができるような動線を計画していることが明らかになりつつある。また,そのために,教師は子どもの遊びへの方向づけを意識的に行っているということも示唆され,教師の動線は遊びの方向づけと遊びの評価という2点から教師は計画していることが示唆された。これらのデータの詳細については,分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染拡大のため,当初予定していた2022年1月及び2月のデータ収集が延期となったが,5月に予定していたデータ収集の大半を終了することができたため,今後は分析を進めることができる状況となったので,当初の進捗状況よりやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定したデータ収集が一部実施されていないが,6月には実施できることになっている。したがって,これまで収集したデータと併せて詳細な分析を進めていく。また分析にまた分析を進める中で,追加の教師インタビューを行うことも予定している。 それらの分析結果は,2022年度に開催される日本教育工学会,日本教師学学会等で発表をする予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍でデータ収集が行えなかったため,旅費及び謝金を使用することがなかったことが理由である。 使用については,机上シミュレーション法によるデータ収集を行うとともに,その分析結果や成果を国内の学会で発表する予定であり,旅費及び謝金を主に使用する予定である。 また,コロナ禍の状況であるが,当初予定していた海外での遊びの評価に関する調査を行うことも予定している。
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