2022 Fiscal Year Annual Research Report
Construction Professional Capital through Curriculum Management
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20K20855
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
千々布 敏弥 国立教育政策研究所, 研究企画開発部教育研究情報推進室, 総括研究官 (10258329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉本 哲男 横浜国立大学, 大学院教育学研究科, 教授 (30404114)
田村 知子 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 教授 (90435107)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 省察 / リフレクション / 社会関係資本 / ソーシャルキャピタル / 組織文化 / 組織開発 / エージェンシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はハーグリーブスとフーランが提起したプロフェッショナル・キャピタルの枠組みに従い、学校の人的資本、社会関係資本、意思決定資本がカリキュラム・マネジメントを通じて組織的に変容する構造を分析するものである。 バンマネン(1977)は省察を技術的省察、実践的省察、批判的省察の3段階に区分している。与えられた手法をなぞるだけの技術的省察では教師の改善は見られず、実践的省察や批判的省察まで深まることで初めて変容が見られる。批判的省察は、目指す子ども像に向けた授業デザインを教科の特性を生かしながら構築していく思考である。実践的省察や批判的省察を深める鍵になるのが、教師エージェンシーである。エージェンシーとは主体性や自律性と似た概念だが、社会的文脈の影響を認めていることと、その中で問題解決に取り組む姿勢が重視されている点で異なっている。本研究では、エージェンシーを発揮することと省察を深めることが相互に影響し合う状況を意思決定資本と解し、教師同士の支え合う関係である社会関係資本、個々の教師の力量である人的資本と循環しながら拡大している枠組みを設定した。 本調査研究ではこの枠組みを使用してカリキュラム・マネジメントに取り組んだ中学校を分析した。同校の取り組みは当初、特別支援教育やICT活用に関する技術的省察が主であった。技術的な取り組みが定着して社会関係資本が増大するに伴って実践的省察に取り組む教師が増えてきた。最終段階で同校が取り組んだのがカリキュラム・マネジメントである。同校はカリキュラム・マネジメントとして、教師集団で目指す生徒像を協議することに取り組んだ。次いで目指す生徒像を反映した総合学習カリキュラムを編成した。これらの取り組みを通じて、同校の教師集団の目標の共有とエージェンシー増大が見られるようになった。
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Research Products
(17 results)