2022 Fiscal Year Research-status Report
発展途上国の貧困が子どもに与える心理的影響:フィールド調査と仮想現実による検討
Project/Area Number |
20K20868
|
Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
榊 美知子 高知工科大学, 総合研究所, 客員准教授 (50748671)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
繁桝 博昭 高知工科大学, 情報学群, 教授 (90447855)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
|
Keywords | 仮想現実 / 貧困 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
三年目である本年度には、大きく3つの成果がある。第一に、初年度に収集した途上国におけるデータを引き続き解析を行い、貧困が主観的な不快感情と不快感情の身体マーカーに異なる影響を与えることが明らかになった。第二に、仮想現実が共感に与える影響を検討するため、ヘッドマウントディスプレイを使って、日本にいながら発展途上国の生活を仮想現実空間で体験することで、途上国に対する寄付行動や途上国に関する情報収集が変化するかを検討した。更に、追加実験もデザインし、ヘッドマウントディスプレイを使い、発展途上国の生活を仮想現実空間で体験することで、共感への動機づけが高まるかどうかの実験を開始した。第三に、仮想現実を使った他国に対する博物館展示を作成し、他国への興味の高まりを検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
三年目である本年度は,二つの目的があった。第一の目的は,初年度に収集した途上国におけるデータの解析である。これは当初の予定通り進行している。第二の目的は,動画とヘッドマウントディスプレイを使って,日本にいながら発展途上国の生活における貧困層の生活が体験できる仮想現実の実験デザインを作成することで,共感や寄付行動が変化するかを調べることである。当該目的については,対面実験を開始したものの,コロナウィルスの流行により,実験の参加者が集まりにくい状況が長く続き,当初想定した人数のデータが得られていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
今春にコロナウィルスが第5類に移行したことを踏まえて、対面実験を積極的に行い、当初の予定していた人数の参加者からのデータを集めると共に、論文化や学会発表を進める。
|
Causes of Carryover |
コロナウィルスの流行により、対面実験によるデータ収集が遅れ、学会発表や論文執筆が遅延し、それに伴う予算を次年度に持ち越すことになったため。
|