2020 Fiscal Year Research-status Report
非接触バイタル計測を用いた野生チンパンジー社会のストレッサーの解明
Project/Area Number |
20K20875
|
Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
松本 卓也 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 外来研究員 (60827137)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
Keywords | ストレス / 非接触バイタル計測 / 社会 / 移出入 / チンパンジー / ウマ / ミリ波レーダ / 父系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は新型コロナウィルスの世界的な流行の影響により、京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリの飼育下チンパンジーを対象としたテストをすることができなかった。また、タンザニア連合共和国・マハレ山塊国立公園への渡航ができず、野生チンパンジーを対象とした動画撮影等も進められなかった。そのため、チンパンジーでのテストを見越して、中・大型哺乳動物という点で共通しているためバイタルセンシングの手法が似ていると考えられるウマを対象としたテストを行った。京都大学馬術部の協力を得て、飼育下のウマでのテストを行い、ヒトを対象としたミリ波レーダによる心拍・呼吸数測定装置をウマにおいても適用できるという予備結果を得た。今後、呼吸数の推定に用いた顔のサーモグラフィのデータやステレオカメラの動画の分析を進め、ウマを対象とした非接触バイタルセンシング技術を確立する。そして、新型コロナウィルスの流行が下火になったタイミングでチンパンジーを対象としたテストに移行する予定である。 また、チンパンジー社会のストレッサーの理解に資する研究として、メスの集団の移出入に関する論文を執筆した。具体的には、出自集団に留まって出産したメス(以下、居残りメス)2頭の観察をきっかけに、過去30年分の人口統計学的データと合わせて居残りメスが出自集団で出産する要因を検討した結果、一般に父系社会とされるチンパンジー集団において居残りメスが例外ではないことを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は新型コロナウィルスの世界的な流行の影響により、京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリの飼育下チンパンジーを対象としたテストをすることができなかった。また、タンザニア連合共和国・マハレ山塊国立公園への渡航ができず、野生チンパンジーを対象とした動画撮影等も進められなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
ヒトを対象に作られたミリ波レーダによる心拍・呼吸数推定機器、サーモグラフィの時系列データ、およびステレオカメラの動画の分析を進め、ウマを対象とした非接触バイタルセンシング技術を確立する。そして、新型コロナウィルスの流行が下火になったタイミングでチンパンジーを対象としたテストに移行する予定である。
|
Causes of Carryover |
本年度は新型コロナウィルスの世界的な流行の影響により、京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリの飼育下チンパンジーを対象としたテストをすることができなかった。また、タンザニア連合共和国・マハレ山塊国立公園への渡航ができず、野生チンパンジーを対象とした動画撮影等も進められなかった。新型コロナウィルスの影響が下火になったタイミングで出張を行う。
|