2020 Fiscal Year Research-status Report
Generalized Hodge conjecture and Lefschetz-Milnor theory for Hilbert schemes
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20K20879
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島田 伊知朗 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (10235616)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | ホッジ予想 / ヒルベルトスキーム / 消失サイクル / 完全交叉 / extremal 格子 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラスマン多様体をプリュッカー埋め込みで射影空間に埋め込み,その像といくつかの超曲面との交叉を取ることで得られるファノ多様体についての一般ホッジ予想を考察する.このようなファノ多様体に含まれる rigid な部分多様体,たとえばシューベルトサイクルのなす族について,シリンダー写像の像がファノ多様体の消失サイクルを含むか否かを考えた.そのためにグラスマン多様体の幾何学,とくに超曲面との完全交叉として得られる多様体のホッジ数,ならびにシューベルトサイクルの交叉理論に関する計算機プログラムを準備中である. 正定値の偶ユニモデュラー格子 L を考える. L のゼロでないベクトルのノルムの最小値がテータ級数のモデュラー性から得られる最小値と一致するとき L は extremal であるという. extremal な格子の例はあまり多く知られていない. 階数が 64 においては Quebbemann(1984)による例が知られている.これはある 32 次元の標数 3 の2次形式付き空間のなかの,ある種の open condition をみたす 8 次元全等位空間 B から得られるものである.この構成を一般化し,計算機で B の例をランダムに生成することにより,階数が 64 の extremal 格子の例を多数構成することに成功した.例の構成は非常に簡単であるが,構成した例がおたがいに同型ではないことを示すのに大きな計算量が必要である. さらにこれらの extremal 格子が,多くの場合自明な自己同型群しか持たないことを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エンリケス曲面の自己同型群とそのネフ錐への作用に関して,非常に大きな計算を必要とする大変よい結果が得られたので,計算機のリソースをそちらに割り当てた.当初の予定ではルート・ジェネリックなエンリケス曲面の一部の例に関してのみ計算を行う予定であったが,2020年8月に共同研究者からの指摘により,目標とする結果が任意のルート・ジェネリックなエンリケス曲面において成立し,計算する対象を制限する理由がまったくないことが判明したので,すべてのルート・ジェネリックなエンリケス曲面についての大規模な計算を行うことにした.この計算の実行と結果の検証ならびに論文の執筆に2020年12月までかかった.その後, Quebbemmann による extremal 格子の構成の一般化を着想し,その有効性の確認に再び計算のリソースを割り当てた. その結果,グラスマン多様体の部分多様体に対する一般ホッジ予想の研究については,ごく少数の例を取り扱うに止まってしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
Quebbemmann による extremal 格子の構成のさらなる一般化を考える.すなわち,階数が 64 以外の場合にも同様な方法で extremal 格子が構成できないかを考える.正標数における,2次形式付き空間のなかの全等位空間のなす直交グラスマン多様体を考え,それぞれの全等位空間の自己同型群の変動を研究する.この研究の応用として Quebbemann 格子の同型類に関する mass formula を求める. グラスマン多様体の幾何学,とくにグラスマン多様体上の超曲面との完全交叉として得られる多様体のホッジ数,ならびにシューベルトサイクルの交叉理論に関する計算機プログラムを完成させる.グラスマン多様体上の超曲面との完全交叉として得られるファノ多様体のいくつかの例について,中間次元のコホモロジー群のホッジ構造を計算し,このファノ多様体に含まれるシューベルトサイクルの族を調べる.ファノ多様体が退化して単純2重点を特異点として持った時に,この族のパラメーター空間がどのように退化するかを調べ,この族に付随するシリンダー写像の像がファノ多様体の消失サイクルを含むかどうかを考察する.すなわち,パラメーター空間の退化に関して現れる消失サイクルがシリンダー写像でファノ多様体の消失サイクルに写像されるかどうかを調べる.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスにより,多くの研究集会がオンラインとなって出張旅費をほとんど使用しなかったため,次年度使用額が生じた. ワクチンによるコロナ流行の終息をまって,旅費に使用する予定である.
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Research Products
(2 results)