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2020 Fiscal Year Research-status Report

Mechanical Model of Cancer Cells and Its Application to Pathology

Research Project

Project/Area Number 20K20888
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

今井 正幸  東北大学, 理学研究科, 教授 (60251485)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鶴山 竜昭  公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第1研究部, 研究員 (00303842)
Project Period (FY) 2020-07-30 – 2022-03-31
Keywordsがん組織形態 / ベシクル / 力学モデル
Outline of Annual Research Achievements

正常細胞がガン細胞に変化するとその形状は大きく変化する。癌細胞の形態変化を数個から20個程度の集塊モデルをもとに定量的な形態特徴量(たとえば, 細胞のサイズ, アスペクト比, 凹凸度など)に分割し, 統合分析する分析手法の構築をめざした. 細胞の悪性度(構造の乱れ、細胞の配置の不整)・進行度との関係の再現が可能なように形態特徴量と物理的なパラメータとの関連を, モデルを用いて検証していった。特に、がん細胞に特徴的な細胞の接着面が互いに入り組んだCannibalismと呼ばれる凝集構造が現れる機構について検討した。我々は、まずモデル細胞(ベシクル)を用いて、この特徴的な接着面の構造が現れる力学モデルを構築する。そのために、複数(2~3)個のベシクルを接着させて、その接着力を変化させ、接着力と接着界面形態の関係を実験的に検討した。その結果、接着力の強くかつ換算体積が0.8~0.7付近でCannibalismに類似の違いに入り組んだ構造が現れた。そこで、ベシクル集合体の自由エネルギーを膜弾性エネルギー・表面エネルギー・接着エネルギーの和で表し、そのエネルギーを最小にする形態をSurface Evolverと呼ばれるシミュレーション手法をベシクル集合体に適用できるように発展させた。この新たに開発したシミュレーターを用いて接着界面が違いに入り組んだ構造を持つための膜の曲げ弾性率・表面張力・接着強度を明らかにした。
さらに、がん細胞組織をモデル系で再現するために、マイクロ流路を用いて数十個からのベシクルからなるモデル細胞組織を構築することに成功した。さらに上述のベシクル集合体ソフトを改良することによりモデル細胞組織の構造を再現するシュミレーターの開発にも成功し、現在、曲げ弾性率・表面張力・接着強度・換算体積の変化によりモデル細胞組織の構造がどのように変化するのかを検討している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

がん組織細胞の形態を決定する要因を明らかにする為、今までのベシクル凝集体を用いて明らかにした力学モデルをベースにがん細胞の特徴の再現を試みた。がん細胞の形態特徴と, その時系列変化を系統的に分析し, 再現できるモデル, およびアルゴリズムの構築の方向性がみえ, 順調にすすんでいると思われる. 特に実際の癌細胞の浸潤や転移に見られる形態変化を記述できる細胞集団の変形について再現する方向性が見つかった.
がん細胞の形態は不定形なので、その形状をどのように再現すればがん細胞の特徴を捉えたことになるのかが、一番大きな問題となった。そこでがん細胞の持つ特徴的な構造としてcannibalismと呼ばれる構造に着目し、力学モデルを用いてこの構造を再現するパラメーターの抽出を進めている。現時点で、すでにcannibalismを再現する力学モデルの目処が立っている点は大きな進展であると考えている。
また、がん組織細胞の形態を再現するためのモデル実験系の構築を進め、約40個からなるベシクルを集積してモデル組織を作成することに成功した。今後は上で得られた力学パラメーターを実現するための環境パラメーターを決定し、まずはcannibalismをベシクルを用いて再現することを目指す。この実験からのアプローチでもモデル組織形成のためのデバイス作成にほぼ成功している点からも概ね順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

Cannibalismは、転移した細胞で高い頻度で発生することでよく知られており、悪性腫瘍のマーカーとなるため、まずはこのcannibalismの再現によりがん細胞の力学的特徴を抽出することを最初の目的とする。また正常細胞が示すcannibalsmとよく似たentosisという現象があるが、この両者の違いからがん細胞の力学的特性を力学モデルにより明らかにすることを目指す。その上で、抽出した力学パラメーターを与える環境因子(接着力・曲げ弾性率・換算体積・サイズ比など)を決定し、ベシクルを用いてcannibalismが再現できるか実験的に検証する。
次に、得られた力学パラメータを元に我々が構築した力学モデルで数十個の細胞からなる系のシミュレーションを行いがん組織の形態が再現できるかを検証する。得られたシミュレーション結果を最近の機械学習を用いたがんの病理診断のソフト(判定率 > 95%)にがんかどうか判定させ、その結果から我々のシミュレーションががん細胞の特徴を捉えているかを判断する。これらの方策により、細胞の形態変化を定量的な形態特徴量をもとに分類し,がん細胞の悪性度のそれぞれの様態に対応する物理的なパラメータとの対応付けを考察していき、実際の細胞診断・スクリーニング検査への応用可能な方法論を検討する.

  • Research Products

    (4 results)

All 2020 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Int'l Joint Research] Ljubljana University(スロベニア)

    • Country Name
      SLOVENIA
    • Counterpart Institution
      Ljubljana University
  • [Presentation] Development of Microfluidic Device for Planar Assembly of Giant Vesicles2020

    • Author(s)
      T. Chiba, H. Sugiyama, T. Toyota and M. Imai
    • Organizer
      The 4th Symposium for The Core Research Cluster for Materials Science
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Mechanical Model of Vesicle Aggregates2020

    • Author(s)
      千葉紀風, 今井正幸, P. Ziherl
    • Organizer
      第58回日本生物物理学会
  • [Remarks] 東北大学理学研究科物理学専攻ソフトマター・生物物理研究室

    • URL

      https://www.bio.phys.tohoku.ac.jp

URL: 

Published: 2021-12-27  

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