2020 Fiscal Year Research-status Report
Innovative gamma-ray imaging based on super-resoluton technique
Project/Area Number |
20K20923
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
片岡 淳 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90334507)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 超解像 / 機械学習 / スパースコーディング / X線ガンマ線イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は宇宙・医療の両分野において様々な機械学習を応用した新たな画像解析手法を開拓し、大きな成果が得られた。まず宇宙物理においては、3つの機械学習モデル(Dictionary Learning, U-net, Noise2noise)をフェルミ宇宙ガンマ線望遠鏡の観測データに適用した。具体的には1週間と1年後の観測データを多数ペアにして学習し、未知のデータを予測するもので、とくに U-net においては大幅な画質改善が得られた。RMSE, SSIM などを用いた評価によれば、統計量として10倍程度向上したことと等価である。さらに、天体によっては予想と実際の観測結果が大きく異なることを発見し、機械学習が活動銀河核やガンマ線バーストなど変動天体の自動検出に極めて有効であることを示した (Sato et al. 2021, ApJ)。医療イメージング応用においては、まず 20keV-1MeVまでのX線・ガンマ線を一度にイメージング可能なハイブリッドコンプトンカメラを新たに開発し、211-At など核医学治療薬のイメージングでその性能を実証した (Omata et al. 2020, Nature Sci.Rep.)。とくにコンプトンカメラにおいては描出法の原理上、コーン上のアーチファクトが発生しやすい。機械学習の適用により、これらを自動的に除去し、S/Nの大幅な向上が可能なことを示した (Sato et al. 2020, NIM-A; 2021, Jinst)。さらに、低線量かつエネルギーを弁別することで統計が不足しがちな多色X線CT画像にも機械学習を適用し、画質を大幅に向上することにも成功した (Toyoda et al.2021, Jinst)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
機械学習は医療イメージングでも既に応用されている技術であるが、これまでは CT画像からの病変抽出など、特徴量の推定にのみ用いられることが主流であった。これに対し、本研究はX線・ガンマ線画像の少ない統計を補完し、画像の鮮鋭度をあげる異なるアプローチであり、全く新しい機械学習の可能性を示唆するものである。上記の通り、本年度だけでも複数の機械学習を系統的に比較・応用することに成功し、宇宙・医療のあらゆる分野を網羅する革新的論文成果が多数得られた。とくにハイブリッドコンプトンの実機開発と検証では、プレスリリースも行っている。同時に、それぞれの機械学習の長所・短所も明確となり、とくに U-net が放射線イメージング全般に適した画像解析法であることを示した。これは、当初予定した計画を大幅に上回る成果と断言できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果により、機械学習の問題やアプローチの改善点についても明確になりつつある。たとえば、フェルミ衛星の全天マップでは、緯度・経度によって同じ視野領域(たとえば1x1deg)であっても画像に歪みが生じる。そのため、無作為な領域を用いた学習は、厳密には正しくなく、本来3次元的なボクセルを定義するべきである。また、閾値を下回る天体は自動的にゼロに下降修正する傾向があり、入力画像で検出できないような暗い天体を自動検出する手法としては、現状のアプローチは適さないことも分かった。医療画像においては、とくにアルファ線薬剤を用いた核医学治療そのものが新しい治療のため、十分な学習データ(教師データ)が存在しない。そのため、シミュレーションをもとに学習を行うが、わずかな実機とシミュレーションの不一致が、予想画像にも影響を与えることも想定される。2021年度は、これら機械学習特有の問題点を明らかにし、より信頼できる画像生成を目指していく。
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Remarks |
(1) 2021年1月6日"Galaxy-Size Bubbles Discovered Towering Over the Milky Way/Quanta Magazine (2) 2020年12月10日“Activity Bubbling Up”Nature Astronomy (3) 2020年10月2日「X線からガンマ線まで同時に可視化」早大・阪大が共同/科学新聞
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[Journal Article] Performance demonstration of a hybrid Compton camera with an active pinhole for wide-band X-ray and gamma-ray imaging2020
Author(s)
Akihisa Omata, Jun Kataoka, Kazuya Fujieda, Shogo Sato, Eri Kuriyama, Hiroki Kato, Atsushi Toyoshima, Takahiro Teramoto, Kazuhiro Ooe, Yuwei Liu, Keiko Matsunaga, Takashi Kamiya, Tadashi Watabe, Eku Shimosegawa & Jun Hatazawa
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Journal Title
Nature Scientific Reports
Volume: 10
Pages: 14064
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Wide-band imaging using a hybrid X-ray and gamma-ray camera2020
Author(s)
A. Omata, J. Kataoka, K. Fujieda, S. Sato, E. Kuriyama, H. Kato, A. Toyoshima, K. Ooe, Y. Liu, K. Matsunaga, T. Kamiya, T. Watabe, E. Shimosegawa, J. Hatazawa
Organizer
IEEE MIC/NSS 2020
Int'l Joint Research
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[Presentation] Demonstration of simultaneous imaging of phantoms as anticancer agents using a novel photon counting CT for drug delivery systems2020
Author(s)
T. Toyoda, T. Maruhashi, H. Kiji, S. S. D. Dima, J. Kataoka, M. Arimoto, D. Sato, K. Yoshiura, S. Kobayashi, H. Kawashima, S. Terazawa, S. Shiota, H. Ikeda
Organizer
IEEE MIC/NSS 2020
Int'l Joint Research
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