2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of optical telescopes with nano-second time resolution and sub-miliarcsecond angular resolution
Project/Area Number |
20K20929
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 隆之 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (60713419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪目 祐介 東京大学, 宇宙線研究所, 技術職員 (90869710)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | SiPM / 大気チェレンコフ望遠鏡 / 強度干渉系 / 暗黒物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、新型光センサーSiPMの開発に従事した。具体的には、信号合算回路、出力波形の整形回路、温度補償回路およびライトガイドの開発である。面積の小さいSiPMについて、信号を合算させることは必要不可欠であったが、波形を損なうことなく合算することに成功した。また、この合算回路とPole-Zero-Canceller回路をうまく組み合わせることで、SiPM特有の長いテールを削ることに成功した。増幅率の温度依存性という、SiPMの欠点の一つも、補償回路を開発することで軽減させることに成功した。これで、SiPMをCTA大口径望遠鏡に搭載する準備が整ったと言える。 本研究の目的は、CTAの大口径望遠鏡を、ナノ秒の時間分解能をもち、サブミリ秒の角度分解能をもった可視光望遠鏡として使うことであった。当初の予定では、現行の読み出しボードを改造してデータ取集システムを構築することになっていたが、海外の共同研究者と議論の結果、アナログ信号を望遠鏡外に出し、外付けのデータ収集系を構築するほうが効率的であることがわかった。そのシステムは成功し、観測をはじめている。 そのシステムをさらに強化させるために、光センサーをSiPMにアップグレードすることにも尽力した。SiPMがもついくつかの難点をすべて解決し、CTA大口径望遠鏡に搭載できる形にできたのは、非常に重要な成果だと思っている。今後は、今まで知られていないナノ秒スケールの変動天体現象を発見したり、恒星の半径を測定するなどしていきたい。
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