2020 Fiscal Year Research-status Report
ジオスペース可視化への挑戦: ジオスペースX線撮像シミュレーション
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20K20945
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三好 由純 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 教授 (10377781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 洋介 千葉大学, 大学院理学研究院, 特任准教授 (20397475)
江副 祐一郎 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (90462663)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | ジオスペース撮像 / X線 / 太陽風磁気圏相互作用 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
地球周辺の宇宙空間において、太陽風中の多価酸素イオンとジオコロナとの電荷交換反応に伴う軟X線放射から、太陽風磁気圏相互作用を明らかにすることを目的として、磁気圏のグローバルMHDシミュレーションとジオコロナモデルとの結合計算コードの開発を実施した。 令和2年度は、磁気圏グローバルMHDシミュレーションの開発を行い、比較的、長い時間にわたってのグローバルMHD計算を可能とした。また、惑星間空間磁場(IMF)が北向きの場合、南向きの場合についての計算を行い、北向きIMF、南向きIMFにおける磁気圏トポロジーの磁気圏構造を再現した。また、ジオコロナモデルを開発し、上記のグローバルMHDから導出される密度や温度、プラズマ速度といったパラメータとジオコロナ密度モデルからX線放射の計算を実施した。得られたX線の3次元空間分布から、実際の人工衛星による観測時と同様の視線方向されたX線強度の空間分布を導出し、科学衛星観測から得られる軟X線イメージの初期的な評価を行った。そして、昼側磁気圏において、シースやカスプ領域での強い軟X線発光が得られることを示し、その形状が昼側磁気圏の形状をよく反映しているものであることを示した。 さらに、可視化手法について検討を行い、将来の人工衛星の観測を想定して、様々な視点からMHDシミュレーションが計算したプラズマパラメータや磁力線のイメージと、上記の計算で得られた軟X線イメージを同時に描画するツールの開発を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
磁気圏MHDシミュレーションを実施するとともに、ジオコロナモデルとの結合計算についても実施し、軟X線放射の計算を実現できている。得られた成果については、R3年度はじめの国際学会において報告する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
太陽風の状況を様々に変化させ、磁気圏のトポロジーの変化がX線画像でどのように見えるかを研究する。また、将来の人工衛星による軟X線撮像観測を想定して、磁気圏ダイナミクスを観測するのに適した位置関係についての検討を行う。
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Causes of Carryover |
シミュレーションの計算機を導入する予定であったが対象としていた計算機が入手できなかったため、次年度に新たに計算機を導入して使用する。
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Research Products
(1 results)