2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K20967
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
大園 拓哉 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 上級主任研究員 (40344030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
則包 恭央 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究グループ長 (50425740)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | トライボロジー / 液晶エラストマ / 付着 / ゴム複合体 / 力学物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
トライボロジィ特性を中心とした能動的な表面機能変化のため、刺激応答性の液晶エラストマに着目している。液晶エラストマはゴム弾性体の一種であり、液晶状態では内部に分子配向性をもつが、熱や光刺激を加えて等方相にすると、その配向性を失い、通常のゴム状態になる。この時、分子配向性がポリマー構造と関連するため、相転移時に部材形状が変形できるうえ、粘弾性特性も大きく変わる。これらの変化を上手く使って他の材料との複合化も通じて摩擦・付着をアクティブに大きく変えることが本研究の狙いである。その実現にむけ、この液晶エラストマの刺激応答変化で接触界面の状態変化を起こすべく材料表面デザインとその最適化を行うことを目指している。 3年目は、2年目に引き続き鍵となる液晶エラストマ部材の基礎物性把握の継続が必要となったため、特にアゾベンゼン骨格を有する光応答性分子の新たな設計・合成とそれをポリマーネットワーク主鎖に直接組み込んだ主鎖型の液晶エラストマのデザインおよび合成、さらにその力学物性と構造の制御に関する知見を得た(論文1報)。さらに複合部材化も見据えその材料との密着性を調査したうえで、ネマチック相でのエラストマ部材のソフト弾性と準塑性が粗面相手材に対して密着することを見出し、特に付着を大きく変化できることを確認した(論文1報)。また、ポリマー骨格の探索中に、ポリマー内部に配向周期構造が自己組織化することを派生的に発見し、光学素子への応用可能性を見出した(論文2報)。
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Research Products
(9 results)