2020 Fiscal Year Research-status Report
Challenge to the realization of dopant-free flexible solar cells that expand the application area of photovoltaics
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20K20998
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宇佐美 徳隆 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20262107)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 太陽電池 / 光閉じ込め構造 / ヘテロ接合 / 結晶シリコン / ドーパントフリー |
Outline of Annual Research Achievements |
ドーパントフリーフレキシブル太陽電池の要素技術として、高いパッシベーション性能と高い伝導特性を両立する高性能キャリア選択パッシベーションコンタクト形成技術とフレキシブル性の発現する極薄シリコン基板に適用可能な光閉じ込め構造形成技術の開発を目指して研究を実施した。 具体的には、金属酸化膜と結晶シリコンのヘテロ接合形成において、へテロ界面近傍に極薄シリコン酸化膜中間層を形成する溶液プロセス、原子層堆積法による製膜する金属酸化膜の膜厚、製膜後の水素プロズマ処理のプロセスパラメータの最適化にベイス最適化を援用することを試みた。パッシベーションコンタクトの総合的な性能指標を目的関数に設定し、3種類の溶液プロセスと7つのプロセスパラメータについて検討を進めた。その結果、ベイズ最適化を援用することでわずか20回程度の実験回数で非常に高い性能指数を得るとともに、適切な溶液プロセスとプロセスパラメータを決定することができた。 また、光閉じ込め構造の形成技術に関しては、従来技術であるアルカリ溶液に対し、結晶シリコン表面への金属ナノ粒子形成する溶液を加えるのみという簡便な溶液プロセスを考案した。この方法では、金属ナノ粒子の表面への付着と、金属ナノ粒子をマスクとするエッチングが連続的に生じることで、結晶シリコン表面にナノ構造が形成できることが予測される。溶液の温度や組成を変化させて系統的な実験を行った結果、表面近傍の数ミクロン程度をエッチングするのみで表面反射率を大きく低下可能なナノ構造を形成できることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ドーパントフリー太陽電池の要素技術として本研究での開発を計画していた二つの要素技術開発について着実な進展が得られたため、順調に進展していると判断した。当初計画では、水素を含む雰囲気下での熱処理を製膜後のプロセスとして想定していたが、より積極的に水素を導入によるプロセスが効果的ではないかと考え、水素プラズマ処理を導入した。またベイズ最適化を援用することで効率的に研究を進展させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は電子コンタクトについて主として検討を行ってきたため、正孔コンタクトについての検討に着手する予定である。また、開発した電子コンタクトや光閉じ込め構造の太陽電池への実装についても検討を行う。
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Causes of Carryover |
実験試料を保管するタイトボックスの納期が遅れたため、次年度使用額が発生した。当該助成金は、タイトボックスの購入に使用する。
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Research Products
(3 results)