2020 Fiscal Year Research-status Report
Low dislocation AlN growth by super high temperature MOVPE in jet engine model
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20K21006
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
永松 謙太郎 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (40774378)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 高温結晶成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は深紫外LEDの長寿命化のためのAlNの低転位化に関する高温成長手法のアプローチを実現することを目的としている。高温成長を実現するためには、リアクタ部材、成長機構を大きく変える必要があり、ジェットエンジンの機構に着想を得て装置を改造することを提案した。 ジェットエンジンの機構を模造した結晶成長リアクタを数値流体力学シミュレーションにより、計算を行い、高温成長の可能性について検討を行った。AlNの反応経路がどのようになっているかを評価した。さらにジェットガス流路パーツを設計するためにシミュレーションによって実際の結晶成長装置リアクタに沿った装置構造を考案し、ジェットガス機構の噴射パーツを結晶成長装置に導入した。この段階でのシミュレーションはリアクタの形状を正確にシミュレーション上に反映させ、ジェットガス流路パーツの形状によってリアクタの雰囲気温度の上昇について評価した。シミュレーション結果と実際の実験結果に対して想定した結果を確認することに成功した。 実際のAlN成長を高温で行うことで、これまでのAlN結晶成長では見られなかった新たな特徴を見出すことができた。このような新たな特徴を学会発表として第68回応用物理学会春季学術講演会において「AlNの高流速成長における成長メカニズム(19p-Z27-13)」、「低温バッファ層上高温AlN初期成長(19a-Z27-1)」、「AlNテンプレート上高温AlN結晶成長(19p-Z27-3)」、「高温有機金属気相成長法におけるAlN成長の気相反応抑制(19p-Z27-14)」というタイトルでの4件の口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究での令和2年度の目標としては、シミュレーションから装置の求められる構造を導出し、ジェット流路パーツを設計することにしたが、実際には設計したパーツを作製しAlNの結晶成長に用いるところまで至った。 ジェット流路パーツの形状を設計するために数値流体力学シミュレーションを実施した。原料の輸送過程での反応モデルから高温でAlNを成長するために必要な要件を抽出した。その後、実際の結晶成長装置を想定した、リアクタモデルでジェットガス機構の噴射パーツの設計を行い基板表面での成長について計算することでジェットガスパーツの最適化を行い、耐熱性の高い材料を選択し部材の設計、作製を行った。耐熱部材に対してアンモニアの腐食性など部材の劣化について評価を行い、概ね問題ないことを確認した。 実際の結晶成長としてジェットガス機構を導入してAlN結晶成長を行った。想定した通りの結果を得ることができた。これまで得られた結果とは異なり、AlNの物性に迫る結果を得ることに成功している。 上記のように流路形状の設計にとどまらず、実際のAlNの結晶成長で結果が得られ、設計した流路形状の信頼性が高いことを示したため、本年度の評価は「概ね順調に進捗している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度でリアクタ形状が定まっているシミュレーションに対して結晶成長のパラメーターを可能な限り反映させて実験条件をシミュレーション上で検討可能な状態にする。1500℃までの成長にてシミュレーション結果と実験が整合できるようにシミュレーションのパラメーターを検討する。また、超高温下での結晶成長をシミュレーションで予測検証する。令和4年度は、これまでのシミュレーション結果から実際に超高温成長を行う。最終的にAlNを1500℃以上の温度で安定的に成長させ優位性を確認する。
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Causes of Carryover |
予定していた本研究に使用する装置の改造の一部が間に合わなかったため次年度に実施すことになり、次年度使用額が生じた。 使用計画:ガスフローに関する改造に要する物品費を今年度使用する予定である。
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Research Products
(4 results)