2020 Fiscal Year Research-status Report
Challenge aimed at the prediction of the electronic properties of organic amorphous semiconductors
Project/Area Number |
20K21007
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
内藤 裕義 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90172254)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻田 俊雄 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10285314)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
Keywords | 有機アモルファス半導体 / 電子物性予測 / アモルファス構造 / Successive Conduction 法 / インピーダンス分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
正孔輸送性を示す分子の凝集アモルファス構造を分子動力学法により作製し、各分子間の電荷移動速度、分子間相互作用を求めることで電子物性(正孔移動度、禁制帯中の局在準位分布、価電子帯の状態密度)を予測する手法を確立することができた。5つの正孔輸送性分子の電子物性の予測値と実験結果とを比較することでこの手法の有用性を実証することができた。 さらに、正孔移動度についてランダムフォレスト法を用いた機械学習を行った結果、トレーニングデータおよびテストデータの相関係数はそれぞれ、0.868および0.822となり、いずれも高い相関が得られた。重要度評価によって極性表面積(TPSA)、および水素結合アクセプター数(NumHAcceptors)が最も重要な因子であることがわかった。また、これらの因子の解析を行った結果、TPSAが5Å^2以下かつNumHAcceptorsが3~6となる分子、すなわち窒素原子を0または1個含みかつ硫黄原子を3~6個含む分子は高い正孔移動度を示すことが分かった。 この条件を満たす新たな分子を50個設計し、分子シミュレーションを用いて正孔移動度を計算した結果、50個中22個の分子が10^-2 cm^2/Vs以上の高い値を示した。さらに、3.7×10^-2 cm^2/Vsよりも高い値を示すと予測された分子が6個得られた。これらの結果から、機械学習と分子シミュレーションを組み合わせることで、目的の正孔移動度を示す分子を理論的に提案する分子設計サイクルを完成させることに成功した。 また、硫黄原子を含む分子の正孔移動度が高い理由は、ファンデルワールス半径の効果および環構造の重なりが大きいことによって、分子間距離および移動積分が共に大きくなることが重要であることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、電荷輸送性を有する分子の凝集アモルファス構造を分子動力学法により作製し、各分子間の電荷移動速度、分子間相互作用を求めることで電子物性(電荷移動度、禁制帯中の局在準位分布)を予測する手法を確立すること、実験結果と比較することで手法の有用性を実証することであった。 文献にある実験値と比較することで手法の有用性をすでに示すことができ、ほぼ、目的を達成した。さらに、分子構造と正孔移動度に関して、機械学習と分子シミュレーションを組み合わせることで、目的の正孔移動度を示す分子を理論的に提案できる分子設計サイクルを完成させることができた。 目的以上の成果が得られたため、上記の評価とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
アモルファス有機半導体の電子物性予測、および、分子設計サイクルをより多数の正孔輸送性分子で行い、量子化学計算に基づく電子物性評価法の有用性を示す。 同時に、電子物性予測法の妥当性をより多くの分子で実験的に示すため、さらに、分子設計サイクルの有用性を実験的に示すため、インピーダンス分光による正孔輸送材料の電子物性(正孔移動度、禁制帯中の価電子帯端から伸びた裾準位(局在準位分布))評価を行う。
|
Causes of Carryover |
疫病流行のため、国内会議、国際会議等学会の出張等の旅費の支出がなかった。 単年度の設備備品費で購入できなかった、計算速度向上のための計算機クラスター購入、および、高感度の測定のためのインピーダンス分光測定用電流増幅器購入のために使用する。
|
Research Products
(54 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] テトラチエノナフタレン類の有機電界効果トランジスタにおけるアルキル鎖長効果2021
Author(s)
久米田元紀, 谷口公哉, 山本惇司, 末永 悠, 麻田俊雄, 松井康哲, 服部励太郎, 東中屋美帆, 大垣拓也, 太田英輔, 内藤裕義, 池田 浩
Organizer
日本化学会 第101春季年会
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-