2022 Fiscal Year Annual Research Report
Challenge aimed at the prediction of the electronic properties of organic amorphous semiconductors
Project/Area Number |
20K21007
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
内藤 裕義 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 特任教授 (90172254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻田 俊雄 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (10285314)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 有機アモルファス半導体 / 電子物性予測 / アモルファス構造 / Successive Conduction法 / 量子化学計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
正孔輸送性を示す分子の凝集アモルファス構造を分子動力学法により作製し、各分子間の電荷移動速度、分子間相互作用を求めることで電子物性(正孔移動度、禁制帯中の局在準位分布、価電子帯の状態密度、価電子帯の有効状態密度)を計算することができた。計算した電子物性は実験値とよく一致し、電子物性を予測する手法を確立できた。これにより、結晶半導体におけるBraggの法則による結晶構造の決定、それに基づくバンド構造からの電子物性予測に匹敵する学術分野の端緒を拓くことができた。 機械学習を活用して、目的とする正孔移動度を示す新規な有機分子を設計できる自動分子設計システムの構築に成功した。アモルファス有機半導体の正孔移動度の実験値を収集しデータセットを構築した。次に、ランダムフォレスト (RF) による機械学習を行い、高速に正孔移動度を予測することができるモデルを構築した。69 個の構造記述子を用いて最適化した RF は、トレーニングとテストデータセットで、それぞれ相関係数 0.89 と 0.76 と高い値を示した。記述子の中で、硫黄原子数とトポロジカル極性表面積(TPSA)が高い正孔移動度を実現するために重要であることがわかった。この結果は、triphenyl amine(TPA)およびカルバゾリル基のTPSA値を考慮すると、TPA または カルバゾリル基 を計 1 ~ 2 個有する分子の正孔移動度が高いことを理解できる。 この機械学習モデルを活用して、目的の正孔移動度を示す分子の自動設計システム構築を試みた。津田らによって提案された分子構造の文字列表記法である SMILES の自動生成アルゴリズム ChemTS を基に RF を高速な移動度予測関数として取り入れた分子設計システムを構築した。
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