2021 Fiscal Year Research-status Report
Vehicle vibration inspecting method for high-speed railway structures
Project/Area Number |
20K21013
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内藤 英樹 東北大学, 工学研究科, 准教授 (50361142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
運上 茂樹 東北大学, 工学研究科, 教授 (60355815)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 機械学習 / 非破壊検査 / 振動試験 / コンクリート構造物 / ひび割れ |
Outline of Annual Research Achievements |
加振器とレーザー振動計を用いて、コンクリート構造物内部のひび割れや空隙を高精度に検査する走査式の非破壊検査法を開発する。2つの個別要素技術 (ハードとソフト) の進捗状況を以下に示す。
個別要素技術1 (ハード開発): 加振器とレーザー振動計を一体化させた走査ワゴンを試作し、空隙を埋め込んだコンクリート試験体による基礎検討を行った。レーザー振動計の測定精度を十分に確保するためには、構造物表面に対してレーザーを垂直に当てる必要があることや、ワゴンの走行に伴う振動の低減が容易でないなど、予定していた走査ワゴンの開発は難航した。代わりの方法として、接触式加速度センサを用いた測定方法に切り替えた。その結果、構造物表面に0.5秒間センサを接触させる方法により、構造物内部の劣化・損傷を精度よく推定できることが示された。つまり、キャタピラー機構で移動しながら、0.5秒間、加振器とセンサを構造物表面に接触させれば、高精度、高速、安価かつ簡便に構造物内部の点検が可能になると考えられる。
個別要素技術2 (ソフト開発): 接触式センサを用いて時刻歴加速度波形を測定し、フーリエ解析によって周波数応答関数に変換するプログラムを作成した。さらに、健全状態での周波数応答関数のみを学習データにして、機械学習による異常検知を行った。空隙を埋め込んだコンクリート試験体と、荷重によってひび割れを与えたRCはり試験体を対象として、振動測定と機械学習による異常検知を試みた。その結果、畳み込みオートエンコーダ―による異常検知は、従来のモーダルパラメータに着目する方法よりも、高精度かつ簡便にコンクリート内部の空隙やひび割れを検知できることが示された。個別要素技術1と2を組み合わせることで、高速かつ効率的に構造物内部を点検し、劣化箇所と劣化程度を可視化できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた点検方法ではうまく行かなかった。このときに失敗したデータを辛抱強く分析し、原因を明らかにすることで、新たな点検方法のアイディアに繋がった。このアイディアが当初の見込み以上の成果をもたらした。
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Strategy for Future Research Activity |
キャタピラー機構による走査式点検装置のハード開発に取り組む。また、様々な構造諸元と劣化条件による振動試験データを収集し、機械学習の識別性能の確認およびモデルの改善を図っていく。
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Causes of Carryover |
ハード開発において方法を見直し、当初予定していた実験の一部を計画変更して、次年度に持ち越すこととなったため。残額は、コンクリート試験体の製作費、廃棄費、および実験消耗品費に充てる。
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