2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on wave propagation in a soft and thin material and its application to nondestructive evaluation
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20K21022
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中畑 和之 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (20380256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 泰蔵 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 講師 (90778177)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 非破壊評価 / ソフトマター / 薄膜 / ガイド波 / 広視野可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,計測実験および数理モデルの両面から,ソフトマター薄膜の動的挙動に関する基礎検討を行った.ソフトマターとしてポリイミドシートをターゲットとし,ポリイミドの張力が制御できる治具を作成し,シートの張り具合による波動および振動特性を調査した.本年度は,小型の加速度センサを多点に設置し,ポリイミドに衝撃を加えた場合に多点センシングを実施した.膜の振動理論によれば,シートに作用する張力によって固有振動数や伝搬速度が変化することが知られている.研究の結果,ポリイミドにおいても,張力によって振動の伝搬速度や固有振動数が変化することを確認し,計測値と理論値は良好に一致することがわかった. ここで,振動伝搬よりも早い時間において,微小振幅の波動を観測することができた.この波動の音速は,引張応力を変化させても一定の速度であることが分かった.また,この速度は,ポリイミドのバルク波の音速よりも60%程度であることがわかった.音速が低下する原因としては,粘性の影響とウエーブガイドの存在が挙げられるが,ソフトマターの場合が,これらが複合しているものと考える. 以上より,衝撃加振を与えた場合,振動の伝搬成分と波動の伝搬成分の2種類がポリイミドには存在することを明らかにした.特に,波動伝搬については,ウエーブガイドが影響しているものと推測できるため,次年度はこのガイド波にターゲットを絞って,薄膜の動的挙動を明らかにしていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,主として波動および振動の多点計測システムの構築を行った.このとき,膜の張力が制御できる治具を作成し,衝撃加振にトリガーを合わせ,多点で同時センシングできるようにした.ここで,非常に小型の加速度センサ4つをシートの上に設置し,センサから離れた位置でシャープペンシルの芯を圧折した.シートの張力を変えながら,各センサで加速度波形を記録し,それを周波数領域に変換して波形処理することで振動および波動特性を調査した.この結果,張力によって,振動の伝搬速度や固有振動数が変化することを確認し,計測値と理論値(膜振動理論)は良好に一致することがわかった. また,振動伝搬よりも早い時間において,微小振幅の波動を観測することができた.この波動の音速は,引張応力を変化させても一定の速度であることが分かった.この速度はポリイミド固体中のバルク波の縦波音速よりも小さいため,ガイド波として分散しながら,膜の内部を伝搬している可能性がある.本年度は,実験が先行したたため,ガイド波の詳細な検討までは至らなかった. 総じて,当初の予定通り研究が進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
薄い材料中を伝搬する波動を扱う場合には,ガイド波としてのモデル化が必要となる.ガイド波は分散性(伝搬速度の周波数依存性)と重畳性(複数の波動モードの存在)を発現するため,分散曲線と各モードの振動分布を把握する必要がある.ハードマターに対するガイド波検査では粘弾性は無視されるが,ソフトマターの場合,粘弾性を考慮した数値解析手法を構築する必要があろう.ここでは,半解析的有限要素法(SAFE)に粘弾性を数値的に扱う複素弾性係数を組み入れ,数値モデルと比較を行う. 実験において,精度の向上のためにセンサ位置の検討を行う.さらに,ガイド波の分散性を得るために,時空間フーリエ変換を用いた波形処理技術を構築する.また,我々の研究室が有する光音響可視化技術が,ソフトマター中を伝搬するガイド波を計測できるかについても調査したい.
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Causes of Carryover |
R2年度は,コロナ過のため,ほとんどの打合せがオンラインとなった.従って,出張予算が使用できなかった.また,ガイド波の数理モデルのためにコーディングツールや可視化ツールを購入予定だったが,こちらはR3年度に実施することとしたため,予算を繰り越すこととした.
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Research Products
(2 results)