2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of analytical methods at the interface between bridge engineering and sediment hydraulics
Project/Area Number |
20K21025
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
伊津野 和行 立命館大学, 理工学部, 教授 (90168328)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
里深 好文 立命館大学, 理工学部, 教授 (20215875)
野阪 克義 立命館大学, 理工学部, 教授 (50373105)
四井 早紀 立命館大学, 理工学部, 助教 (60875897)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
Keywords | 橋梁 / 洪水 / 土石流 / 数値解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,毎年のように橋が洪水や土石流により流出する事態が続いている.流出しないまでも桁下空間が土砂や流木で閉塞され,水が河道からあふれて被害が拡大する事例も多い.しかし,構造工学分野における水害対策はさほど注目されてこなかった.橋の自然災害対策として地震や風に関しては多くの研究がなされ一定の成果を挙げているのに対し,橋の水害対策,なかでも土石流災害に関する研究例はほとんどなく,この分野の発展は遅れている.本研究の目的は,橋梁工学と土砂水理学との境界領域における解析手法として,土石流が橋梁に作用する力を計算する手法を開発することである.目的を達成するため,両分野の研究者が共同で課題に取り組む.また,水理実験による検証も実施し,解析精度の確認を行う.開発した手法は広く公開し,橋梁工学と土砂水理学との橋渡しを目指す. 初年度は令和2年7月豪雨による橋梁被害に着目した.熊本県の球磨川流域において17橋が流出する被害を受けたが,そのうち設計図面が入手できた西瀬橋を対象として解析を試みた.一次元河床変動解析によって洪水時に作用した流体力を計算して,支承設計強度と比較した.開発した解析コードによる洪水時の水位は,観測された水位と矛盾しない値となった.土砂流入量を考えない解析を行い,橋梁に作用したであろう流体力が,橋梁建設当時の設計基準から推定される支承強度を大きく上回ることを明らかにした.最新の設計基準で要求される支承強度と比較すると,水平力には抵抗できた可能性があるが,鉛直力に対してはさらに高い強度が要求されることがわかった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた1次元土石流シミュレータを元にした解析コードの開発が終了し,令和2年7月豪雨を対象とした計算で計測結果と矛盾しない結果が得られた.橋梁に作用する水平力の検討も実施することができ,初年度に計画していた内容をほぼ遂行することができた.
|
Strategy for Future Research Activity |
土砂流入量を考慮した解析を行い,洪水のみならず土石流に対しても計算できるように解析コードを改良する.土砂によって橋梁の桁下空間が閉塞された場合の影響についても検討する.また,トラス橋のトラス構面が流木等で閉塞された場合の影響についても検討を行う.なお,応募時に計画していた検証実験については,感染症の状況に応じて実施するかどうかを適宜判断する.
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,コロナ禍の影響で,当初予定していた旅費の支出がゼロになったことによる.次年度も,海外旅費は使用しないことになる見込みである.よって,数値解析に使用する計算機環境整備と,成果発表に関わる論文投稿費を当初計画より充実させ,申請時に計画していた研究目的を達成することにした.
|
Research Products
(1 results)