2020 Fiscal Year Research-status Report
Exploring the Evaluation Index of Urban Structure for the Urban Design Strategy aimed at the Compact City
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20K21029
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
渡辺 俊 筑波大学, システム情報系, 教授 (60212320)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 情報量損失最小化法 / 都市構造 / 都市発展段階 / 標準地域メッシュ / 平均情報量 / 相対的人口集中地区 |
Outline of Annual Research Achievements |
人口減少時代を迎えるわが国の都市・社会構造の実態や課題点の把握、あるいはその手法開発を目的とした研究は数多く行われている。中でも標準地域メッシュ等に着目して地方都市圏の産業・人口分布形態やその変化を対象とした研究の例は多く、都市構造実態把握への主要なアプローチと言える。しかし、単純なメッシュ単位での数量データの表現のみを通じて対象都市圏域全体における都市空間の広がりを明確に規定し、その形態的性状や変化傾向を定量的に把握することは困難である。 一方で、メッシュデータではなくDID(人口集中地区)を分析対象として都市構造実態やその変容を分析する試みも行われている。しかし、人口減少に伴う都市縮小等の都市構造変容分析においては、その進行が著しいと考えられる地方部の小規模な市町村にてDIDとして規定される領域が限定的である場合が多いため、人口増加の時代と同様にDIDの変容に基づき都市縮小の様相や実態把握を行うには限界がある。 本研究は、2050年に向けた「地方創生」の具体化検討に向けて、これらの限界に挑戦し、海外の理論研究(数理モデル)で提案された新たな指標を参考に、“コンパクト+ネットワーク”をキーワードとした国土交通省の基本戦略「国土のグランドデザイン2050」に向けた都市構造把握手法を探究した。具体的には、都市縮小の実態を把握する手法として、Metropolitan Form Analysis (MFA)におけるPolicentricity指標に着目する一方で、その論理的に脆弱な点を解決するために情報量損失最小化法を応用する事で、相対的人口集中地域(RDID)の抽出法を提案した。提案した指標を計算するプログラムをGIS環境に構築するとともに、これを全国市区町村の5時点の人口データに適応して時系列的な推移と傾向を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果が、日本建築学会計画系論文集に「相対的な人口集中地区の抽出を通じた全国市町村の年縮小傾向の分析 -人口減少時代を迎えるわが国の都市圏の形態変化に関する研究(その2)-」として掲載されるなど、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
海外へも発信できる様に、これまでの研究成果を英語論文に纏めていく。一方で、国土交通省ではProject PLATEAUが立ち上がり、CityGMLを用いた3次都市モデルのビックデータ整備が進み始めたことから、これらを取り込んだ分析への展開についても検討している。
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Causes of Carryover |
研究自体は順調に進展しているが、コロナ禍で学生の大学キャンパスへの入校が制限されたため、当初予定していたアルバイト人件費の支出がなかった。本年度も同様の状況が続く可能性があるため、評価指標計算作業の効率化を図るために研究環境の整備を図る。
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