2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of stochastic urban climate analysis system using ensemble simulation
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20K21035
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川本 陽一 九州大学, 芸術工学研究院, 助教 (70569730)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 都市気候 / メソスケール気象モデル / アンサンブルシミュレーション / 不確実性 |
Outline of Annual Research Achievements |
都市に固有の気候現象である都市気候の諸問題の研究手法として、メソスケール気象モデルを用いた数値解析が広く用いられる。しかし、都市気候研究では数値解析の結果を決定論的に評価している現状がある。即ち、数値解析の不確実性は考慮されず、それぞれ単一の数値解析の結果を以て評価している。一方、数値解析では初期値・境界値に起因する誤差により、結果は不確実性を含む。本研究では、単一の結果を評価する決定論的評価に対して、複数のアンサンブルシミュレーションの結果を統計的に評価する確率論的評価を行い、初期値・境界値に起因する不確実性を低減する事により信頼性の高い都市気候数値解析システムを構築することを目的とする。 2021年度は2020年度に引き続きアンサンブルシミュレーションの一手法であるラグ平均予報法 (Lagged Average Forecast) を実行し、既往研究での都市上空の風環境の実測値との比較を行った。ラグ平均予報法は、開始時刻をずらして複数のシミュレーションを実行するものであり、比較的簡易なアンサンブルシミュレーションである。実測値と比較する評価対象日までの助走計算期間の長さを変えた複数のシミュレーション結果を比較することにより、シミュレーションの誤差の評価を行った。単一の結果を用いて評価する決定論的シミュレーションに対して、ラグ平均予報法を用いることにより個別のシミュレーション結果に比して精度良く予測を行える可能性があることが示された。 アンサンブルシミュレーションでは統計的に有意な結果を出す為にはある程度のアンサンブルメンバーを確保する必要があり、数値計算に必要となる計算機資源が膨大になる。そのため、研究代表者が所属する九州大学が保有するスーパーコンピュータシステムを利用し、アンサンブルシミュレーションを実行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年12月にシミュレーション結果を保存していたネットワークストレージが故障したため、2020年度は進捗状況の遅れが生じた。2021年度はその遅れを取り戻し、概ね当初の計画の通り研究を進めることができた。研究成果は学会誌に投稿し、掲載が決定している。 一方で、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の学会がオンライン開催に変更されたり延期とされているため、他の研究者とのディスカッションの機会が減少していることが課題ともなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度はラグ平均予報法 (Lagged Average Forecast) 以外に、初期値に摂動を与えることにより複数メンバーのアンサンブルシミュレーションを実行し、最終成果のとりまとめを行う予定である。 国際会議の発表については、当初の計画で参加を予定していた国際会議が新型コロナウイルス感染症の影響により2年延期となり2023年開催となったため、研究期間の延長を含め再度検討を行う。論文投稿については引き続き行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
参加した国内学会がオンライン開催に変更となり、また当初計画で参加予定としていた国際会議が延期となったため、旅費の執行が大幅に変更となったため、次年度使用額が生じた。延期となった国際会議は研究期間終了後の2023年夏に開催されるため、研究期間の延長も含めて2022年度の研究計画の研究計画の再検討を行う。
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