2020 Fiscal Year Research-status Report
The elucidation of the pathogen diffusion characteristic during a operation
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20K21036
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
柳 宇 工学院大学, 建築学部(公私立大学の部局等), 教授 (50370945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 秀明 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (50610044)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 手術室 / 外科手術 / リアルタイム測定 / 浮遊微粒子 / 細菌 / マイクロバイオーム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は手術室における研究論文のレビューを行った。また、同日同じ手術室における開胸手術と内視鏡手術時の粒径別浮遊粒子と細菌の拡散特性に関する既往の調査結果を解析し、その結果をまとめた論文をジャーナルBuilding and Environment(2019-2020インパクトファクター:4.971)に投稿し、掲載された(Akane Odagiri, U. Yanagi, Shinsuke Kato. Comparison of generation of particles and bacteria in endoscopic surgery and thoracotomy. Building and Environment 193 (2021) 107664. https://doi.org/10.1016/j.buildenv.2021.107664)。本論文の主な結論は以下の通りである。 内視鏡手術と開胸手術時の粒径別浮遊粒子の最高濃度と平均濃度の何れもISO 14644-1の基準値を大きく上回っている。開胸手術に比べ内視鏡手術時の室内浮遊粒子と浮遊細菌濃度が低い。これは手術の方法の違いによるものである。内視鏡手術に比べ、開胸手術時の微粒の曝露量は4~27倍高い。 次世代シーケンサーを用いた16Sの解析の結果、人由来の細菌が多く検出され、上位4属は Streptococcus, Acinetobacter, Neisseria, and Staphylococcusであった。これらの結果から、手術室における気流の適正な計画が重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【文献調査】 今年度は当初計画の通りに研究を進んでいる。これまで、消毒、手術、手術室空調・換気方式に関して、これまで公表された論文と著作をレビューした。また、近年サージカルスモークに関する論文や米国CDC(Centers for Disease Control and Prevention、疾病対策予防センター)、OSHA(Occupational Safety and Health Administration、労働安全衛生庁)の資料も調べた。上記のレビュー結果を前記の論文の一部としてまとめた。 【実態解明】 現場実証の結果を前記の論文にまとめた。 【シミュレーション】FlowDesingソフトを用い、簡易なシミュレーションを行った。垂れ壁の有無は術やの気流性状、とりわけ執刀医への曝露量が異なることを把握できたが、最適化までに至らなかった。これは、次年度の課題として取り組む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の2年目の計画“吹出し口周りに垂れ壁(高さと位置を検討したうえで)を設置した場合において、手術時に発生する微粒子の術野での拡散の抑制効果、および医療従事者への病原菌曝露量の低減効果を確認し、気流の最適化を検討する。”の通りに研究を実施する予定である。シミュレーションの部分はほぼコロナ禍の影響を受けないが、その効果の実証はCovid-19の流行の状況に影響を受ける可能性がある。緻密な計画を立て、円滑に遂行するように努める。 また、シミュレーションの最適化を検証し、初期の効果が得られれば、その成果を国際ジャーナルに投稿する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で、一部のフィールド調査を実施することができなかった。
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Research Products
(4 results)