2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K21063
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
高山 佳久 東海大学, 情報通信学部, 教授 (30358915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉川 一郎 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 教授 (40273198)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 視界の確保 / 霧 / 超音波 / 干渉 / レーザー光 |
Outline of Annual Research Achievements |
山間部や沿岸部の道路周辺に発生する霧に対して、交通の安全性を維持するため、超音波の干渉により霧粒子を捕獲し、通行者の視界を確保する技術の創出を目的とする。研究期間を通じて霧が発生する温度、湿度、風速等の気象条件、視程および発生した霧粒子のサイズと個数を計測し、霧粒子と霧発生条件の関連を明らかにする。また光を空間伝搬させることによって、超音波を照射する領域の光学特性を計測する。これらを遂行するため以下の研究をそれぞれ推進した。 (1) 霧の発生条件および霧粒子の特性の把握 気象観測機能の拡充を図るため、既存の気象観測装置に加えて視程を計測する視程計と霧粒子を計測するパーティクルカウンタを整備した。また、人工的に生成した水滴粒子の計測によりパーティクルカウンタの動作特性を評価した。水滴粒子の生成には、超音波による霧粒子の発生とドライアイスの利用とを採用し、寸法が異なる粒子の生成を可能とした。 (2) 超音波を照射した霧領域の光学特性の評価 製作したパラメトリックスピーカを用いた超音波の干渉により空間内に定在波を形成し、人工的に生成した水滴粒子の浮遊位置の制御を行った。これにより水滴粒子の空間内での粗密状態を形成した。ドライアイスで生成した水滴粒子は、超音波の定在波による浮遊位置の制御が可能であった。超音波霧化器によって生成した水滴粒子については、上向き噴射した人工霧の上端部のような静止に近い状態では、霧の制御が可能であることが示されたが、その光学的特性や制御可能な条件のより詳しい把握などの課題が残っている。一方、霧領域の光学特性の評価については、調達した光学部品を用いて光計測系を構築し、その正常動作を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1) 霧の発生条件および霧粒子の特性の把握 当初の予定通り、計測に必要となる視程計およびパーティクルカウンタを整備し、その動作特性の評価を実施した。 (2) 超音波を照射した霧領域の光学特性の評価 超音波を照射するシステムを稼働させ、屋内空間に干渉パターンを形成することはできた。これにより、ドライアイスを用いて生成した水滴粒子の浮遊位置の制御を確認した。超音波霧化器によって生成した水滴粒子については、上向き噴射した人工霧の上端部のような静止に近い状態では、霧の制御が可能であることが示された。しかし、その光学的特性や制御可能な条件のより詳しい把握など、まだ課題が残っている。一方、霧領域の光学特性を把握するための光計測系については、調達した部材を用いて構築し、その正常動作を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 霧の発生条件および霧粒子の特性の把握 既存装置による気象観測を継続しつつ、視程計による視程の計測およびパーティクルカウンタによる霧粒子の計測を行う。霧が発生する温度、湿度、風速等の気象条件、および発生した霧粒子のサイズと個数を継続的に計測する。これらの計測結果から霧粒子と霧発生条件の関連調査を進める。 (2) 超音波を照射した霧領域の光学特性の評価 超音波の干渉によって形成した定在波によって捕捉できる水滴粒子の寸法を調査することにより、超音波霧化器で生成した水滴粒子の浮遊位置の制御が困難であった原因を明らかにする。また構築した光計測系により、水滴粒子の粗密による光透過率を計測する。 現在もなお、新型コロナ感染の影響により移動を伴う活動が制限されている。今後の状況を注視しながらオンライン会議等を利用した検討を行い、計測実験の実施可否を判断する予定である。
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