2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K21080
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丹羽 健 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (40509030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ガイダ ニコアレキサンダー 名古屋大学, 工学研究科, 特任助教 (70837559) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 超高圧合成 / 窒化物セラミックス / ダイアモンドアンビルセル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度が最終年度になる.本研究では,我々が2017年に発表した第4の窒化珪素である『SiN2』のバルク焼結体の合成と,その機械特性の解明を目的としている.目的達成に向けて,Siからの直接窒化によるSiN2の合成ではなく,Si3N4を窒素中でさらに窒化して合成することを試みた.前年度までに,研究協力者が10GPa以上の圧力下で大型プレスを用いてγ型Si3N4の緻密焼結体を作製し,XRD測定によりγ型Si3N4単相であることが確認された.本年度はそのバルク体を用いてSiN2合成と機械的性質の解明に取り組んだ.まず大型プレスにより合成されたγ型Si3N4を砕いて,100ミクロン以下の大きさに成形した.γ型Si3N4焼結体は透明であるため,そのままでは赤外レーザー光を吸収しない.そこでレーザー吸収材として試料片側の表面に数十nmの厚みの金を蒸着した.その試料をDACの試料室に窒素と共に充填し,目的の圧力まで室温で加圧した.約60GPaで金蒸着側にレーザーを照射し加熱したところ,加熱後の試料からSiN2由来のラマンピークが観測された.改善点は多々あるが,Si3N4の直接窒化からSiN2が合成されることがわかった.機械的特性評価のため,合成した試料のナノインデンテーション測定を試みた.SiN2の他に,DACで合成したγ型Si3N4も測定対象とした.ナノインデンテーションは広い範囲の試料を非常に細かく分析できるが,そもそも試料が小さいため,試料固定など測定ノウハウを構築する必要がある.本研究では,圧子で圧す面の粗さや試料を固定する材料の選定など試行錯誤し,50 GPaという超高圧下で合成されたセラミックス材料に対して,機械的性質の評価の見通しをつけた.今後,測定手法をより精査して信頼性の高いデータ取得に取り組んでいく予定である.
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Research Products
(8 results)