2022 Fiscal Year Annual Research Report
その場試料変形電子顕微鏡法と機械学習による転位の自由飛行の動的観察
Project/Area Number |
20K21093
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
斉藤 光 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (50735587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多 聡 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (60264107)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 透過電子顕微鏡 / 転位 / その場観察 / 機械学習 / ノイズフィルタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度までに確立した機械学習ノイズフィルタリングを援用した高速走査透過電子顕微鏡法を転位運動のビデオレート観察に応用した。MEMSによって作製されたマイクロヒーターによる加熱が可能な透過電子顕微鏡用試料ホルダーによるその場観察法と組み合わせ、金属加工組織の回復過程をビデオレート観察することができた。以上のその場加熱観察法のさらなる発展として、低温焼結性金属粉末の焼結過程の4次元(3次元空間+時間発展)観察を実施した。材料の熱的変形の4次元電子顕微鏡観察は本研究以前にも例があったが、嫌気性の実材料の焼結に対して実現されたのは本研究が初めてである。この実験には、不活性ガス中で調整された試料を大気に暴露することなく透過電子顕微鏡内に輸送する機構と、瞬時加熱・冷却可能なマイクロヒーターを搭載した特殊な試料ホルダーが不可欠であった。また、4次元観察では同一の視野から数千枚の画像を取得するため、試料の電子線損傷を抑制するために、通常の2次元観察と比較して1フレームあたりのドーズ量を3桁以上低減する必要があった。この要求から各フレームは著しく信号量が不足したデータとなったが、機械学習を利用したデノイズ処理、さらに圧縮センシングを取り入れた3次元再構成アルゴリズムを活用することにより、この問題を克服した。取得された4次元計測データを解析した結果、ナノ材料特有の焼結挙動が明らかとなり、本開発手法の有用性が示された。
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