2020 Fiscal Year Research-status Report
マイクロ多相流横断を介した機能性微粒子生成プロセス
Project/Area Number |
20K21104
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西迫 貴志 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (10431983)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | マイクロプロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
従来,微小液滴や粒子に各種反応・処理操作を施すことで,様々なナノ・マイクロ機能性粒子が創生されてきた.しかし通常その操作はバルクに対するバッチ式作業であり,個別粒子に対して反応・処理条件を精密制御して機能を付与できる連続プロセス技術は存在しない.そこで本研究では,多数の支柱を規則的に並べたマイクロ流路内に各種反応・処理液からなる多相並行流を形成し,規則的な支柱配列を用いて液滴や粒子を斜行・横断させ,各種反応・処理を精密制御して機能性微粒子を調製する,という新たな粒子・流体プロセス技術を提案する. 上記の研究の目的に照らし,初年度である2020年度は以下を実施した. (1) マイクロ流路デバイスの作製:液滴生成用の十字型マイクロ流路と液滴・粒子を斜行させるための規則的な支柱配列を有するマイクロ流路が直列に組み合わさったデバイスの設計・製作を行った.ネガ型フォトレジストSU-8に露光・現像して作製した微小凸型をシリコーン樹脂(PDMS)に転写し,酸素プラズマ処理によりPDMS薄膜を形成したガラス基板と強固に貼り合せ,マイクロ流路デバイスを作製した.支柱径と間隔,流路高さはそれぞれ,100 um,80 um,100 umとした.各液体の導入と流量制御はチューブを介したシリンジポンプにて行った. (2)多糖類ハイドロゲル粒子の架橋反応制御:十字型マイクロ流路にてアルギン酸ナトリウムの3wt%水溶液とコーン油を合流させ,平均径83um,CV値4.6%のNa-alginate主滴および平均径15um, CV値43.2%のサテライト滴の生成を確認した.続いて支柱配列を有する流路において,主滴はカルシウムイオンCa2+を含む反応液流内を斜行し,イオン交換による架橋反応を経てゲル化し,最終的に洗浄水流まで斜行した後に回収される一方,サテライト滴は斜行せず,ゲル化することなく別の出口から回収される様子を確認することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ禍によるシャットダウンの影響が懸念されたものの,幸い2020年度はおおむね順調に進展した.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に沿って進めていく.
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Causes of Carryover |
国外から輸入するため納品に日数のかかる機材および試薬について,新型コロナ禍における先方の物流状況を勘案し,初年度の研究においては研究室既存の物品で対応の上,購入を次年度以降に先送りしたため.2021年度以降,当初予定に沿って手続きの見込み.
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