2023 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ多相流横断を介した機能性微粒子生成プロセス
Project/Area Number |
20K21104
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西迫 貴志 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (10431983)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | マイクロプロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,多数の支柱を規則的に並べたマイクロ流路内に各種反応・処理液からなる多相並行流を形成し,規則的な支柱配列を用いて液滴や粒子を斜行・横断させ,各種反応・処理を精密制御して機能性微粒子を調製する,という新たな粒子・流体プロセス技術を提案し,下記の実証試験に取り組んだ. (全年度共通)液滴・粒子を斜行させるための規則的な支柱配列を有する各種マイクロ流路デバイスをシリコーン樹脂により作製して用いた. (2020年度~2021年度)多糖類ハイドロゲル粒子の架橋反応制御:分散相としてアルギン酸ナトリウム水溶液を用い,ステップ乳化法により直径約70 umの油中水型(W/O)液滴を生成して支柱配列流路に導入し,カルシウムイオンCa2+を含む反応液流内を斜行させ,イオン交換による架橋反応によりアルギン酸カルシウムゲル粒子を生成できることを実証した. (2021年度~2022年度)微粒子表面の分子修飾:粒子として直径約50 umでカルボキシル基が修飾されたポリスチレン(PS)ビーズ,修飾分子として高分子電解質であるpoly(allylamine hydrochloride)(PAH)を用いた.PSビーズをPAH水相流に対して斜行させた後回収し,ゼータ電位を測定した結果,PSビーズ表面のゼータ電位が処理前に比べて正の方向にシフトした結果が得られ, PAHによる部分修飾が示唆された. (2022年度~2023年度)油水界面横断による二分子膜小胞体形成:リン脂質分子で覆われたW/O液滴を斜行させ,油水界面の横断によるW/O/W液滴の生成および二分子膜小胞体の生成を試みた.しかし,油水界面が支柱配列に乱されてエマルション化したため W/O/W液滴は安定して得られず,油水界面を安定化させるため支柱配列流路の親水性,疎水性の部分修飾が必要であることが示唆された.
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Research Products
(3 results)