2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K21107
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
渡部 綾 静岡大学, 工学部, 准教授 (80548884)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 長寿 静岡大学, 工学部, 教授 (30199260)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 極限反応場 / ラジカル |
Outline of Annual Research Achievements |
極限環境下における反応プロセス開拓の展開として、低温場におけるC-Hの活性化に挑戦した。具体的には、炭化水素のモデル分子としてC4体(イソブテン)を用い、反応場でラジカル種を発生する硫化水素を供給して、イソブテンの末端炭素を活性化しC8体を合成した。反応温度や原料比、反応圧力などの二量化条件を変化させ、生成物の収率や選択性を評価した。 回分式反応器を用いて、硫化水素存在下におけるC4体の二量化反応を試験した。硫化水素非存在下での二量化では、C8成分は全く得られなかったが、硫化水素存在下ではC8体を得ることができた。ラジカル種により末端炭素が活性化され二量化が進行したことが推測された。次に、表面積と体積の比が異なる2つの反応器を用いて、二量化反応に及ぼす影響を調べた。その結果、表面積/体積の比率が小さい反応器ほど、高い選択性で目的生成物であるC8体を得ることができた。これは、硫化水素と管壁中の鉄成分との反応により生成した水素が、イソブテンと反応して副生成物であるアルカン成分のイソブタンを生成したためと考えられる。副反応の進行が抑制される表面積/容積の小さい反応器を用いて、反応条件(C4体/硫化水素のモル比、反応温度、反応圧力)の影響を調査した。その結果、反応条件を変更することによりC8体の収率と選択率が大きく変化し、特に反応温度を低温にすること、反応圧力を上げることでC8体の収率が向上することがわかった。高圧では硫化水素の分解が促進され、生成したS系ラジカル種がC4体の末端炭素を活性化して二量化を促進することが考えられた。 さらにC8体生成を目的に反応温度の低温化を図るために、硫化物系触媒を本反応系に適用した。触媒利用がない条件と比較してC8体の収率がやや増加することが明らかになった。
|
Research Products
(2 results)