2021 Fiscal Year Research-status Report
Challenge of Establishing a New Theory of Stirring and Mixing Operations by Introducing Human Motion Imitation
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20K21110
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大村 直人 神戸大学, 工学研究科, 教授 (50223954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白杉 直子 神戸大学, 工学研究科, 非常勤講師 (80243294)
本多 佐知子 神戸大学, 工学研究科, 非常勤講師 (60514916)
増田 勇人 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 講師 (90781815)
祇園 景子 神戸大学, バリュースクール, 准教授 (70533404)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 撹拌・混合操作 / 人間動作模倣 / 動作解析 / 撹拌動作 / 調理プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は茶道における抹茶の撹拌動作を主に調査した。抹茶の撹拌では、昨年と同様に撹拌の性能評価指標として抹茶の泡立ちをとりあげた。昨年度は抹茶の泡立てに重要となる成分のサポニンに着目したが、今年度は泡立てに重要な茶筅と熟練者の撹拌動作に着目して研究を行った。茶筅の内穂と外穂の役割を調べるために、通常の茶筅(80本立て)、外穂のみ、内穂のみの3種類で、被験者に抹茶をたててもらい、泡立ちの性状について調べた。熟練者においては、茶筅の種類による違いは顕著には表れなかったが、非熟練者の場合は、内穂のみの茶筅を使用した場合、表面の泡径は顕著に大きくなった。この傾向は、熟練者においてもみられた。これらの結果から、泡立ちのキメ細かさには外穂が重要な役割をしていることがわかった。また、均質な泡立ちのためには、外穂と内穂の相互作用が重要であることもわかった。指、手首、肘の位置の時系列データをもとにした撹拌動作解析から、すべての熟練者で、指と手首の振動の位相は一致し、肘は位相が半周期分ずれていることがわかった。非熟練者では、比較的泡立てが上手な被験者では、熟練者と近い動きが観察されたが、泡立てが上手くない被験者では肘の位相のずれが少ないことがわかった。また、熟練者に対して、抹茶を立てるときのポイントの聞き取り調査を実施し、被験者が表現した内容について、化学工学的な解釈を与える試みも行った。さらに、抹茶の撹拌にも使用されている旋回型の撹拌について、工業的に利用されている旋回型撹拌装置の流動・混合特性を調べ、学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に計画していた抹茶の撹拌動作解析について、ほぼ計画どおりに実験および、解析ができており、泡立てに重要な茶筅の構造の理解と有効な撹拌動作の抽出ができた。運動モデルの構築とCFDによる数値解析はできていないが、粒子法によるCFDのコードは整備できており、来年度に実行可能であることから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も,抹茶の撹拌時の泡立ちに注目し、今年度取得した熟練者および、非熟練者の動作解析データから、抽出された要素動作において、回転周期、速度などの物理量により、撹拌動作の定量化を行う。また、ミルクフォーマーのような泡立て器で泡立てた場合との性状の比較も行い、人間の撹拌動作の有効性について検証する。定量化された物理量を組み合わせた運動モデルを作成し、、得られた運動モデル式を用いて、粒子法を用いたCFDコードにより、混合と泡立ての過程をシミュレーションする。最終年度にあたって、人間の撹拌動作を機械的に再現できるかについても検討を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国内外の出張ができなかったため、主に旅費分の予算が未執行となり残額が生じた。来年度は新型コロナウイルスの感染拡大が収束し、出張が可能になれば、学会発表等を積極的に行うこと、計画当初予定になかった撹拌装置の制作に使用することで、次年度使用額を適正に執行していく予定である。
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