2022 Fiscal Year Annual Research Report
超撥水性オルガノシリカ構造設計と薄膜化によるアルコール高選択透過膜の創製
Project/Area Number |
20K21112
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
金指 正言 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (10467764)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
Keywords | オルガノシリカ / 薄膜 / 超撥水性 / 吸着ブロッキング / 細孔構造制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,フッ化物イオンをオルガノシリカ構造に導入することで,超撥水性で均一構造を有するシリカ系膜を開発し, (i) 分子サイズが大きいアルコールと膜との親和性制御,(ii) 吸着アルコール分子によるH2O透過ブロッキング,によりアルコール高選択透過性を実現することを目的とした。Methyltriethoxysilane (MTES)や(3,3,3-trifluoropropyl) trimethoxysilane (TFPTMS) などの複数の側鎖型オルガノシリカ膜を作製し, 透過特性を評価した。Fをドープしたオルガノシリカ膜も作製し, Fドープによる側鎖型オルガノシリカ膜の細孔径制御の可能性について検討を行った。 側鎖型オルガノシリカは橋架け型オルガノシリカよりも疎水構造の形成が可能で,分子サイズが大きいEtOHの吸着量がH2O吸着量よりも多く,アルコール吸着選択性を示した。一方で,浸透気化実験(アルコール濃度90 wt%,70℃)における各透過率は,いずれの疎水膜においても分子サイズが大きくなるほど透過率が小さくなる傾向を示し,H2O選択透過性を示した。MTES,TFPTMSにより形成したオルガノシリカ構造は,分子サイズが0.4-0.5 nm程度のアルコール分子には小さすぎるため,アルコール分子がネットワークに侵入できなかったと考えられる。 側鎖型オルガノシリカにFをドープすることで水接触角はさらに増加し,疎水性を向上させることが可能であった。しかし,ネットワークサイズに起因するH2/N2透過率比は,Fドープ量にほとんど依存せず,橋架け型オルガノシリカとは異なりFドープによる細孔構造変化が生じにくいことが示唆された。
|
Research Products
(3 results)