2022 Fiscal Year Research-status Report
100 GHz 超動作のコヒーレント光メタデバイスの研究
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20K21134
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
岩長 祐伸 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主席研究員 (20361066)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | 光メタデバイス / 純光学デバイス / 面発光デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
光メタデバイスの新規構造の創出に関する研究を前年度に引き続き、実施した。100 GHz 超動作を最終目標とすることから、純光学的な動作を原理とするメタデバイスを基本として構造の検討を進めた。メタデバイスの形態として1つは面内の光導波を基軸とするデバイス、もう1つは面から垂直方向に光放射するデバイスがある。本年度は主に実験研究を推し進め、面放射型の高輝度光メタデバイスの創出に向けた基礎研究を遂行した。2次元発光材料を光メタ表面に転写実装することにより、面放射型の光メタデバイスを作製し、その発光特性を実験的に研究した。顕著な発光増強効果を見出した。発光には超高速成分があり、100 GHz動作も原理的に可能とすることを明らかにした。これら一連の成果を論文発表するため投稿準備中である。来年度中に学会における発表も行い、成果の発信に努める計画である。この実験的研究のほかに、光束縛状態(BIC, Bound states in the continuum)に起因する光共鳴状態を屈折率センシングに応用する研究を行い、全誘電体型メタ表面を活用することでこの構造群のなかで最良の応答感度を実証した。光束縛状態を活性にするためにわずかな非対称性を導入するが、非対称性に加えてシリコンナノ構造のナノギャップを導入することにより環境屈折率感度を向上させる工夫を行った。実際に作製した試料における光束縛状態のQ値は約1200で全誘電体メタ表面としては比較的高いQ値を実現した。この成果について今年度論文1報(オープンアクセス)として公刊し、学会発表1件を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光メタデバイスとして材料融合型デバイスを新たに作製し、発光特性の増強に関する実験データを取得することに成功した。高速発光成分は 10 ps 程度の寿命であることから、100 GHz 動作を原理的に可能にする特性を見出したことは本研究課題の主題に相応する成果である。また、全誘電体メタ表面にわずかな非対称性を導入することで活用できる光束縛状態を屈折率センシングに応用するなど、高速センシングに向けた基礎研究を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題を1年間延長して実施する間に、これまでに得た成果を論文として公刊し、学会発表も行うことにより成果の発信に努める。これらを基に発展的な研究課題として展開することを検討していく。また、新規構造の数値的な探索をさらに行うことことにより、光メタデバイスの構造の多様化と機能の多岐化につながけていく。
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Causes of Carryover |
今年度の研究成果発表を完遂するため、研究期間の延長を行った。次年度に論文発表、学会発表を予定している。また、次年度に大規模数値計算による光メタデバイスの構造探索を引き続き行うため。
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Research Products
(5 results)