2020 Fiscal Year Research-status Report
Plasmonic waveguiding remote surface enhanced fluorescence microscopy
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20K21165
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
雲林院 宏 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (40519352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪瀬 朋子 京都大学, 高等研究院, 特定助教 (10772296)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 探針増強ラマン顕微鏡 / TERS / DNAマッピング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、化学合成で作成した直径100nm、長さ数十nmの銀ナノワイヤー(AgNW)をプラズモン導波路として用い、10nm以下の高い空間分解能を有する新たな「リモート励起探針増強蛍光(RE-TEF)顕微鏡」を開発し、それをDNA光マッピングなどへの応用に結びつけることを目的としている。初年度は、RE-TEF用プローブに使用するAgNWの開発と非線形光学現象を用いた顕微鏡法の開発を主に行った。リモート励起を行う際に必要となる光カップリング点をAgNW上に導入する方法として、ガルバニック置換反応を用いてAgNW上に凹凸をナノメートルレベルで導入した。そのAgNWを用いてリモート励起が可能であるかどうかを、まずはリモート励起表面増強ラマン散乱を用いて評価した。細胞表面や内部など柔らかい資料での増強ラマン散乱分光には有効であることを確認した(Uji-i et al. Anal. Chem. 2020)。しかし、RE-TEFに用いる際には、プローブ強度と酸化耐性が課題であることが明らかとなった。そこで、新たなカップリング点の導入法として、プラズモン励起による局所金ナノ粒子析出法(Uji-i et al. Nano Lett. 2020)を用いて、10nm程度の金ナノ粒子をAgNW上の任意位置に析出させることにより新たなRE-TER用プローブを作成した。本プローブでは、RE-TERによる表面走査が可能であり、およそ30nm程度の空間分解能を達成することが可能である。金ナノ粒子発光によるシグナルノイズ比の低下と、目標空間分解能の達成が課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、リモート励起蛍光顕微鏡用プローブの試作と評価を実施した。本研究者開発のプラズモン励起による局所金ナノ粒子析出法を用いて、AgNW上に金ナノ粒子を析出させ、その金ナノ粒子を光カップリング点としたプローブを作成した。本プローブを用いることで、およそ30nmの空間分解能を達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
プラズモン励起による局所金ナノ粒子析出法(Uji-i et al. Nano Lett. 2020)を用いた新たなRE-TER用プローブで、およそ30nmの空間分解能を達成しているが、(1)金ナノ粒子からの発光による信号ノイズ比の低下と、(2)さらなる空間分解能向上が課題である。今後は、金ナノ粒子の発光を抑えるため、金ナノ粒子析出量の調整を行う。また、空間分解能を向上するため、本研究者開発の先端径が25nmと鋭利なペンシルAgNW(Uji-i et al. Chem. Commun. 2019)を用いたプローブの開発を行う。これら改良の後、DNA光マッピングなどへの応用を展開する。
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Causes of Carryover |
緊急事態宣言などにより予定していた出張がキャンセルになったため旅費に差額が生じた。2021年度も緊急事態宣言などが発令されていることから、予定していた出張は予定変更をして、残額を消耗品購入に使用する。また、物品納期遅れにより物品費に差額が生じた。予定していた光学部品購入により、差額を2021年度に使用する。
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