2021 Fiscal Year Annual Research Report
control of chemical reactions by the potential modulation with vibrational polaritons
Project/Area Number |
20K21175
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
香月 浩之 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (10390642)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
Keywords | 振動ポラリトン / マイクロキャビティ / 強結合状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
振動ポラリトンにおける相互作用の大きさはラビ分裂パラメータによって表され、ラビ分裂は分子の集団的な振動とキャビティ光子の相互作用に由来するため、集団的な双極子の配向分布によって大きな影響を受ける。2021年度には液晶分子を試料としたマイクロキャビティ試料を作成し、配向制御によってラビ分裂パラメータがどのように影響を受けるかについて測定を行なった。キャビティミラーとして金薄膜をコートしたのち、配向層を塗布しラビングを行うことで液晶の配向制御が可能となる。試料に4'-n-オクチル-4-ビフェニルカルボニトリル(8CB)を利用し、温度変化によってイソトロピック相からスメクティック相への相転移を確認した。偏光吸収測定から、スメクティック相における配向を確認し、配向度Q~-0.7が得られた。8CBのC≡N結合振動のエネルギーをキャビティ光子と共鳴させることによって振動ポラリトン状態を形成した。相転移による屈折率の変化により、キャビティ長を相転移に合わせて微調整することが必要となるが、調整の結果イソトロピック相、スメクティック相(電場と配向軸が並行、直交)の3つのケースにおいて強結合の観測に成功した。ラビ分裂パラメータの大きさはスメクティック(平行)>イソトロピック>スメクティック(直交)の順となり、配向による巨大な遷移双極子モーメントが効果を表していることが示された。赤外吸収強度との比較から、スメクティック相における配向の分布について考察を行った。
|