2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K21237
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 洋治 京都大学, 工学研究科, 准教授 (20584840)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2021-03-31
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Keywords | メソポーラス材料 / 水素化触媒 / 還元チタニア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、様々な水素化物のナノ・メソ構造を制御することである。本研究に関して、申請者の異動までの研究期間は一年未満であったが、それにも関わらず一定の成果を上げることができた。 特に力を入れたのが、高活性触媒でもある水素化合物BaTiO2.5H0.5、GdHOのメソポーラス化である。前者の材料では、様々なBa, Ti の前駆体を用いた合成を比較した結果、通常より高表面積のBaTiO3は生成できなかったが、BaドープTiO2のメソポーラス化には成功し、8倍程度表面積を増加させることができた。この後、水素化反応を施し、アンモニア合成触媒の活性を調べた結果、初期活性では22 mmol/g/hrという比較的高い活性が見られたのち、失活した。従来の還元TiO2は無活性であり、かつBaTiO2.5H0.5触媒では、3 mmol/g/hrという低い活性が持続する。本材料は両者の中間的な反応性を示しており、よって還元Ti種と水素化Ti種がどのような時に活性を示すのかを探るに適した材料系である。また、GdHOの前駆体であるメソポーラスに関しては、直径の30nm程度の中空Gd2O3粒子の集合体ができた。表面積は9m2/gと予想以上に低かったが、多孔質試料は形成できたので、さらなる条件最適化により、表面積が上がる可能性はある。 この他にも、空気に対して安定な水素化材料を得るべく、Na内包シリカゲルに対して、水素化反応を施し、NaH内包シリカゲルの合成を試みた。Na内包シリカゲル自体は、還元反応性を有しながら、大気中では安定である。水素化処理後、NaH・シリカゲル複合体の合成は確認できた。内包の度合いや、大気に対する安定性に関しては、申請者の異動と本プロジェクトの中止により検討できなかった。しかし、新しい大学で研究を再開するにあたり、十分な予備的成果を上げることができた。
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