2020 Fiscal Year Research-status Report
インターヌクレオチド結合をスルホンアミドに置換した架橋型アンチセンス核酸の合成
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20K21245
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
清尾 康志 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (20313356)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | スルホンアミド核酸 / アンチセンス核酸 / 架橋構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
架橋構造をもつスルホンアミド核酸の合成に着手した。まず、必須の基礎技術として核酸にスルホンアミド結合を導入する反応を確立するためスルホンアミド結合で連結されたチミジン二量体を合成した。 チミジンの3'水酸基をtert-butyldimethylsilyl基で保護した。ついでこの化合物の5'水酸基をヨード基に変換しさらにメタンスルホン酸エステルと強塩基存在下反応させることでスルホニル基を有するチミジン誘導体を合成した。また、別途合成した3'-アミノチミジンと先ほど合成したチミジンを縮合することでスルホンアミド結合で連結されたチミジン二量体を合成した。 さらにこの二量体の3'水酸基をホスホロアミダイトに変換した後、DNA自動合成機を用いてアンチセンス核酸に組み込んだ。アンチセンス核酸の配列はヒト型にコドンを最適化したウミシイタケルシフェラーゼmRNAに相補的な配列を設計した。合成したアンチセンス活性をウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子をtransfectionしたHela細胞に投与し、ルシフェラーゼ由来の発光強度を測定することでアンチセンス活性を評価したところ、予想通りルシフェラーゼ活性化低下することが分かった。 これらの結果をもとに、架橋型構造をもつスルホンアミドユニットの合成法を検討するために、塩基部にスルホニル基と架橋するための3-ヒドロキシプロピル基を有するデオキシウリジン誘導体を合成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りスルホンアミドで連結されたアンチセンス核酸の合成と活性評価を達成した。また架橋構造を有する誘導体についてもその合成が予定通り進捗しており研究期間内に目標を達成できることが見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
まずリンカーを有するデオキシウリジン誘導体の5'位をスルホンアミド基に変換し、ついでリンカー部と架橋させ、スルホンアミド骨格を有する架橋型ヌクレオシドを合成する。さらにこの化合物をヌクレオシド残基と連結し、スルホンアミド型架ヌクレオシドと天然型ヌクレオシドから成る二量体を合成する。最後にこれらを核酸に導入し研究目的を達成する。
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Causes of Carryover |
本年度はスルホンアミド核酸の合成が予想外に順調に進捗し有機化学試薬などの使用が予定よりも少なくなった。またNMRなどの測定機器についても学内の共同利用機器を使用することにより維持費が低価格で抑えることができた。来年度は未使用額を有効に利用して、架橋型核酸の配列の多様性を増やし、架橋型スルホンアミド核酸のアンチセンス核酸としての特性をより詳細に検討することで当初計画以上の研究成果を上げる予定である。
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Research Products
(2 results)