2020 Fiscal Year Research-status Report
植物の根における高解像度な元素濃度分布および遺伝子発現マップの作成
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20K21264
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神谷 岳洋 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40579439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 道生 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (10647655)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 細胞層 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物における高解像度な元素濃度分布および遺伝子発現マップの作成をするために必須である細胞層特異的なプロトプラストの単離方法の確立を行なった。今年度は、1)コンストラクトのデザインと作成、2)元素分析に必要なプロトプラストの最低数の見積もり、の二点を行なった。 1)コンストラクトのデザインと作成 細胞膜に局在させるためのシグナルペプチド、単離に用いるためのストレプトタグ、遺伝子の発現を確認するためのmCherryタンパク質、細胞膜にアンカリングするための膜貫通領域、を融合した遺伝子の設計、作成を行なった。具体的には、シグナルペプチド、ストレプトタグ、膜貫通領域、の4つを融合した遺伝子を合成し、ストレプトタグと膜貫通領域の間にmCherry蛍光タンパク質を挿入した融合遺伝子を作成した。さらに、この遺伝子を、様々な組織での発現に必要なプロモーターに連結したコンストラクトを作成した。具体的には、恒常的発現にはCaMV 35SとUBQ1に2種類、組織特異的な発現には、表皮、皮層、内皮に特異的に発現している遺伝子のプロモーターを用いた。 2)元素分析に必要なプロトプラストの最低数の見積もり プロトプラストを単離し、ICP-MSによる分析を行なった。具体的には、プロトプラストの調整が容易に可能な葉肉細胞からプロトプラストを調整し、硝酸分解後、元素濃度を測定した。その結果、10の6乗程度プロトプラスとがあれば多くの必須元素の測定が可能であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルスによる学内への入構制限のため研究が思うように進められなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は以下の点を進める予定である。 1. 昨年度作成したプラスミドをシロイヌナズナで発現させ、ストレプトアビジン磁気ビーズを用いてプロトプラストの単離方法を確立する。 2. 植物に形質転換し、根の組織特異的なプロトプラストの単離を行い、イオノーム解析、RNA-seq解析を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍において予定通りに実験が進まなかったため。2020年度中に行う予定だった実験の一部(プロトプラストのアビジンタグを用いた単理法の確立)を2021年度行う。また、コロナにより、雇用予定だった実験補助員の雇用が遅れたため。2021年度は勤務時間を長くすることにより、遅れを取り戻す予定である。
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