2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K21273
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
島田 康人 三重大学, 医学系研究科, 講師 (40378427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 博臣 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (20422545)
中山 寛子 三重大学, 地域イノベーション学研究科, 研究員 (20831085)
加藤 浩 三重大学, 地域イノベーション推進機構, 助教 (30378327)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 光合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊椎動物において光合成によるエネルギー供給が可能か、光合成細菌であるシアノバクリアを共生させたゼブラフィッシュを用いて検討する。2013年にサンショウウオの1種が受精卵時に近接する藻類を体内に取り込み、生育後も共生する藻類が光合成を行うことによりエネルギーをサンショウウオ本体に提供していることが報告された。このサンショウウオと同様のことが人工的に可能か、ゼブラフィッシュ受精卵を用いて研究を行った。 この目的のため、細胞内ATP量に応じて蛍光を変化させる(FRET)タンパク質ATeamを恒常発現する遺伝子組み換えゼブラフィッシュを構築した。様々なシアノバクテリア系統をこのゼブラフィッシュ体内に移植した結果、特定のシアノバクテリアを移植した個体ではゼブラフィッシュ体内のATP量の増加を認めた。つまりシアノバクテリアが光合成によって作り出したATPがゼブラフィッシュに供給されていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、細胞内ATPセンサータンパク質ATerm恒常発現ゼブラフィッシュの構築に成功し、本研究課題の最大の仮説であった移植したシアノバクテリアからのゼブラフィッシュへのATP供給を証明できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
ゼブラフィッシュ体内へのシアノバクテリア移植によるATP供給は1週間程度しか観察できず、その後はおそらく免疫細胞によりシアノバクテリアは除去されてしまう。長期の共生モデルの構築を目指し、腸内細菌叢としてのシアノバクテリアの定着・ATP供給を目指す。
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Causes of Carryover |
(理由)シアノバクテリアの短期共生試験において、検討する数が当初の計画よりも少なく済んだため。 (使用計画)次年度に行う長期共生試験に使用する予定である。
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