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2021 Fiscal Year Research-status Report

高分解能魚群探知機による魚種判別への挑戦―機械学習による魚群エコーの特徴分析―

Research Project

Project/Area Number 20K21329
Research InstitutionTokyo University of Marine Science and Technology

Principal Investigator

甘糟 和男  東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (80452043)

Project Period (FY) 2020-07-30 – 2023-03-31
Keywords魚種判別 / 機械学習 / 高分解能魚群探知機
Outline of Annual Research Achievements

令和3年度は以下の3項目について実施した。
1)魚群エコーの観測と魚種確認:観測は東京海洋大学実習艇ひよどりにより,東京湾東扇島沖で実施した。魚種確認のためのサビキ釣りと水中カメラ撮影,物理環境を把握するためのCTD観測も行った。様々なエコーが観測できたが,サビキ釣りで魚種が確認できたのは表層付近に出現する大きい魚群エコーのみであり,それらはカタクチイワシであった。すべての魚群エコーに対して魚種確認することは難しく,対象を限定する必要がある。カタクチイワシと同じ深度帯だがエコー強度がやや弱く,群れの中心付近に空洞がある特徴的なエコーも観測された。水中カメラ撮影によりミズクラゲであることを確かめた。
2)魚群特徴量の解析:魚群内部の構造をエコーエンベロープ波形から調べた。個体間距離に関係する振幅スペクトルのピーク周波数が認められ,それは体長に依存している可能性が示唆された。体長推定に応用できる可能性がある。しかし,ピーク周波数は明瞭とは言い難く,特徴量とし難いこともわかった。特徴量として魚群の周囲長を調べた。その結果,個々の魚のエコーまで詳細に捉えてしまうことにより,周囲長が過大に推定されることがわかった。分解能が低い生データから周囲長を求めることとした。物理環境も魚種判別に有用な情報である。魚群エコーとの関連性を明らかにする前段階として,躍層などの物理構造に起因したエコーがどのように観測されるか調べた。物理エコーは厚みが非常に薄く,魚群エコーと明瞭に区別できることがわかった。
3)エコー解析方法の高度化:個々の魚のエコー強度のスペクトルは重要な特徴量である。これを正確に測定するために解析時に設定するフーリエ変換の窓サイズについて調べた。魚のエコーを対象とする前に金属球のエコーについて調べた結果,フーリエ変換の窓サイズとして0.6 mが妥当であることを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

高分解能魚群探知機による魚群エコーの観測および魚群エコーの特徴量の解析において,新たな知見や問題点などが明らかにできた。一方で,令和3年度の当初計画では4月から10月まで月1回(計7回)の調査を予定していたが,コロナ禍の影響により乗船できない月があり4月,6月,10月の3回となった。魚群エコーの十分な観測が行えていない。また,機械学習を応用した特徴量の解析に十分進めていないので,やや遅れていると自己評価した。

Strategy for Future Research Activity

令和4年度も東京海洋大学実習艇ひよどりによる観測を継続する。なお,当初予定していた同大学練習船神鷹丸による観測は,コロナ禍の影響により実施できる見通しが立たないため中止とする。
魚群形状は魚種判別のための有用な情報である。しかし,使用している高分解能魚群探知機の音響ビームは幅が平均7度で下向きであり,魚群の断面形状が得られるに過ぎない。そこで,プレジャー用であるが扇状の音響ビームを使用し,左右方向に120度の観測範囲を持つマルチビーム魚群探知機を導入し,魚群の3次元群形状の把握も行っていく。
魚群の周囲環境も魚種判別に有用な情報となると考えられる。そこで,今年度は溶存酸素量も観測項目の一つに加える。
今年度の後半には教師なし機械学習による魚群エコーの特徴量分析を行い,魚種のわかっているエコーとの対応付けも行って,魚種判別への応用方法について研究を進める。

Causes of Carryover

溶存酸素量を測定する機器の校正を行う予定であったが,所有者の観測スケジュールの変更に伴い校正が行えなかったため次年度使用額が生じた。当該額は溶存酸素量の測定機器の校正に使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Experimental study on the measurement of calibration sphere echoes by broadband scientific echosounders2021

    • Author(s)
      Jing Liu, Burak Saygili, Akira Iwasa, Tomohito Imaizumi, and Kazuo Amakasu
    • Organizer
      The Fourteenth Annual Meeting of Asian Fisheries Acoustics Society
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2022-12-28  

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