2021 Fiscal Year Research-status Report
サクラクローン品種をモデルとした代謝エピゲノムによる樹齢推定
Project/Area Number |
20K21344
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
松本 麻子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90353862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草野 都 筑波大学, 生命環境系, 教授 (60415148)
福島 敦史 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (80415281)
加藤 珠理 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90467217)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | サクラクローン品種 / メチル化 / メタボローム |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、サクラ属のクローン品種であるソメイヨシノの樹齢の異なる個体を用いることでゲノム情報を統一し、樹齢と代謝物の変化およびエピゲノムの関係を明らかすることを目的としている。 樹齢による研究を実施するにあたり、研究計画にあった弘前公園(青森県弘前市)の個体がコロナ禍で採取できないことから、茨城県土浦市の小学校で育成している樹齢110年のソメイヨシノより花の採取を行った。その他、森林総合研究所(茨城県つくば市)、多摩森林科学園(東京都多摩市)および花の会結城農場(茨城県結城市)で育成中のソメイヨシノからも試料を採取した。さらに、品種間での比較が可能になるよう、ソメイヨシノ以外のサクラクローン品種(ジョウニオイ、スルガダイニオイ)からも試料を採取し、DNA抽出を行った。DNAメチル化解析では、近年開発され、塩基変換を酵素反応によって穏やかに行うことが可能であるEnzymatic Methyl sequencing (EM-seq)法を採用した。得られた塩基配列は、Cerasus yedoensisのゲノムを参照配列としてマッピングを実施した 比較解析等の詳細については現在解析中である。 メタボローム解析では、前年に引き続きサクラの花に含まれる揮発性成分のアノテーション率を向上させるため、揮発性有機化合物ライブラリの充実をはかるとともに、揮発性成分の非ターゲットプロファイリングを行った。 統合解析に向けては、公共データベースに散在している樹木を含む植物エピゲノムデータの再解析および比較解析に向けたメタデータ収集および解析パイプラインについての予備調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で海外からの実験試薬の納期が遅れ、実験が予定通りに進まなかった。メチル化ライブラリーの作成では、DNAの質と量が確保できない検体があったことから、新たにDNAを得るために次年の開花を待つ必要が生じた。そのため、個体によってはメチル化解析に実験を進めることができず、最終年度に先送りとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
メタボロームとゲノムメチル化の関係性における品種特異性を考慮するため、計画にあるソメイヨシノだけでなく、同様のクローン品種であるスルガダイニオイとジョウニオイについても解析に加えることとした。また、昨年度、解析まで進めなかった個体についても、年度末の開花期に試料採取が成功していることから、今後の実験、解析が可能になった。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により試料採取のための出張の中止や、採取数が減ったことによって解析の経費が支出されなかったため。
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