2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K21347
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
酒井 憲司 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40192083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 大介 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (30435896)
伴 琢也 東京農工大学, 農学部, 准教授 (20325046)
森山 裕充 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20392673)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 隔年結果 / マスティング / 豊凶 / 位相同期 / カオス |
Outline of Annual Research Achievements |
多年生樹木は結実年の翌年は休養し,開花・結実せず必要な物質を樹体内に蓄積する.個体の豊凶メカニズムは物質収支モデル(RBM)として知 られ,その数理は1次元のテント写像で記述される.本研究においては,RBM個体間の結合様式や気象変動によりRBM個体群の多彩な同期挙動を 数理モデルとして構築する. ①主要な同期メカニズムの数理モデルの定式化:個体群の同期メカニズムを,花粉による大域結合/局所結合を数理モデルIによって,気象合図 による同期を数理モデルII,根系結合や接ぎ木による融合体における同期を数理モデルIIIによって定式化する.これらを組み合わせることに より,植物種に応じた多彩な豊凶同期を体系的に記述することを目指す.本年度は,これら数理モデルをMATLABによるコーディングした.さらに,RBVMの結合写像格子を構築し,Lyapunov指数,位相,相関に関する特徴量を抽出した. 数理モデルの検証:○数理モデルI(花粉結合):兵庫県立大学(森林野生動物研究センター)が取得したブナ,ミズナラ,コナラのデータを用いて検証した.I-aは広域(数kmから500km) I-bは局 所的(数km以内)の花粉結合である.○数理モデルII(共通ノイズ):カリフォルニア大学デービス校提供のピスタチオの約1万個体の収量データに対して,2次元結合写像格子によって数理モデルを構成し,位相同期メカニズムを明らかにできた. ケヤキと兵庫県コラナ等の堅果豊凶等と気象データを照合し,気象合図の存在を実証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
構想していたすべての数理モデルは構築できた.さらに,最終年度に想定していた,CF遺伝子の発現時系列データ収集において分子生物学の専門研究者の参画を得ることができ,11月からPCRによる計測作業を開始することができた.また,ウンシュウミカンの接ぎ木モデルについての実験計画が完了し,次年度早々に実験を開始することが可能となった.
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Strategy for Future Research Activity |
CF遺伝子の発現時系列データ収集を継続する.ウンシュウミカンの接ぎ木試験を開始し,モデルの検証を行う.
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Causes of Carryover |
国際会議や国内学会への参加旅費を計上していたが,新型コロナによる国内,先方国の状況によってこれらを執行できなかった.
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