2020 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of isolating methods for hair follicle stem cells derived from bovine: toward the implimentation of made-to-order hormone preparations
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20K21371
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
樋口 雅司 鳥取大学, 農学部, 講師 (70614791)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | ウシ / 下垂体 / 毛包 / 組織幹細胞 / 細胞分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、マウスで確立した分離技術を用いて、ウシ下垂体および毛包に存在するPRRX1/SOX2二重陽性の組織幹細胞の純化技術を確立すること、そして、毛包由来の組織幹細胞が運命転換により下垂体の組織幹細胞に転じて性腺刺激ホルモン産生細胞へ分化することを証明することである。本年度は、ウシ下垂体におけるPRRX1/SOX2二重陽性の組織幹細胞の存在を証明するため、また、その細胞から性腺刺激ホルモン産生細胞への分化誘導条件を決定するための実験を行い、以下のような成果を得た。
1. ウシ下垂体におけるPRRX1/SOX2二重陽性細胞が組織幹細胞であることを証明するため、免疫組織化学的にウシ下垂体を解析した。その結果、PRRX1/SOX2二重陽性細胞が幹・前駆細胞を育む微小環境であるMarginal Cell Layer(MCL)に存在することが明らかになった。これは、ウシ下垂体におけるPRRX1/SOX2二重陽性細胞が組織幹細胞であること、そして、マウスで確立したMCL細胞の分離技術を適用することで細胞分離が可能であることを示唆した。ここまでの成果は学術雑誌に投稿中である。 2. ウシ下垂体の組織幹細胞を性腺刺激ホルモン産生細胞へ分化誘導する方法を確立するため、まず、マウス下垂体から分離した組織幹細胞の2次元および3次元培養を行った。その結果、3次元培養でのみ性腺刺激ホルモン産生細胞への分化が確認された。ここまでの成果を学術論文として発表した。現在、ウシ下垂体からの組織幹細胞の分離を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響でウシ下垂体および毛包のサンプリングがほとんどできなかったために細胞培養実験が遅れているが、数少ないサンプリング機会を利用してウシ下垂体に組織幹細胞が存在することを明らかにできた。また、マウスを用いて分化誘導条件を絞り込むことができ、2年度目にウシの細胞培養実験を迅速に進める環境を整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ウシ下垂体の組織幹細胞を分離し、性腺刺激ホルモン産生細胞への分化誘導条件を決定する。また、毛包からの組織幹細胞の分離を進め、下垂体で確立した分化誘導条件を適用して性腺刺激ホルモン産生細胞への分化能の解明を目指す。
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Causes of Carryover |
年度末に論文掲載料(ドル)を支払う必要があり、為替レートによる誤差で次年度使用額が生じた。次年度は細胞培養実験に必要な物品費と成果発表のための旅費として使用を計画している。
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Research Products
(1 results)