2020 Fiscal Year Research-status Report
ウズラはニワトリの代理親になれるか?異種始原生殖細胞移植による配偶子分化制御
Project/Area Number |
20K21377
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
大石 勲 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (50314472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
迎 武紘 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (40803309)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | ニワトリ / 生殖工学 / ウズラ / 始原生殖細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ニワトリは優れたモデル実験動物かつ世界有数の産業動物である。このためニワトリの遺伝子改変法の開発が強く望まれており、近年では配偶子分化可能な始原生殖細胞を用いたニワトリ遺伝子改変法が確立されつつある。これはニワトリ初期胚血液由来の始原生殖細胞株をin vitroで遺伝子改変し、これをドナー細胞としてレシピエント胚に移植後キメラ個体内で配偶子分化させ、後代に遺伝子改変個体を得る方法である。一方、遺伝子改変ニワトリ樹立には長い性成熟期間(最短8ヶ月程度)や大型の飼育施設が必要であり、技術普及への課題である。本研究課題では短期間(40-50日程度)で性成熟するウズラを代理親としてニワトリ始原生殖細胞を配偶子分化させ、組換えニワトリ開発の短縮が可能か検討する。本年度はニワトリ雌雄始原生殖細胞株の樹立とこれを可視化するベクターの構築ならびにベクターを導入した始原生殖細胞株の樹立を行った。また、ウズラを用いた遺伝子ノックインなど高度な遺伝子改変を目指したウズラ始原生殖細胞の培養技術開発を試みた。培養条件の検討や改善により従来困難であった雌ニワトリ始原生殖細胞の安定的な増殖が実現できた。また可視化始原生殖細胞株も樹立された。ウズラ始原生殖細胞は培地の改良やhanging cultureなど複数の方法の検討を行い2週間程度増殖させることができたが、遺伝子改変に適用できる安定的な培養法は実現できていない。今後ニワトリ始原生殖細胞をウズラレシピエントに移植しその動態等の解析により異種組織内における生殖細胞分化の可能性について詳細に検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
採択決定まで時間がかかり研究開始が遅れたことならびにコロナ対策による出勤制限等がありやや遅れている。緊急事態宣言の解除を待って樹立細胞の移植実験等加速させる予定。
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Strategy for Future Research Activity |
ウズラ胚の内在性始原生殖細胞の不活化条件を検討した上で今年度樹立した可視化始原生殖細胞の移植、胚や孵化個体、性成熟した生殖巣の解析を行う予定。
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Research Products
(2 results)