2020 Fiscal Year Research-status Report
In vitro reconstitution of intraflagellar transport by cytoplasmic dynein-2
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20K21378
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丹羽 伸介 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 准教授 (30714985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 賢幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (20569090)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | IFT / ダイニン / クラミドモナス / 繊毛 / 繊毛内輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
繊毛内のタンパク複合体輸送を担うダイニン2の運動のin vitro再構成は非常に困難であることがわかっている。これはダイニン2自体が非常に巨大な複合体であるだけでなく、ダイニン2が輸送するIFT複合体もまた多くのサブユニットから構成される巨大な複合体だからである。 (1)クラミドモナスのnull変異体に蛍光タンパク質、および、精製のためのタグを導入したダイニン2サブユニットを発現した。ダイニン2サブユニット変異体では繊毛が欠損する。タグ付きダイニンによってnull変異体がレスキューし、正常な繊毛が形成されることを確認し、この株を大量培養してダイニン2の精製を試みた。その結果、重鎖、中間鎖などのサブユニットを全て含むダイニン2を精製することに成功した。全反射蛍光顕微鏡法(TIRF)を用いて運動を観察すると、微小管には結合するもののほとんど方向性を持った運動をしないことがわかった。これは「結合タンパク質無しでは不活性状態を維持される」という他の分子モータータンパク質と同じ性質である。 (2)次にダイニン2のカーゴであるIFT複合体についても同様のアプローチでクラミドモナスから精製した。IFT複合体の変異体では繊毛が欠損する。蛍光タンパク質および精製のためのタグを導入した株を作製してレスキューした結果、繊毛の伸長がみられた。このレスキュー株から精製のためのタグを用いてタンパク質精製を行うと、非常に低濃度ではあるが、IFT複合体を精製することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蛍光ラベルしたダイニン2およびカーゴであるIFT複合体の精製に成功しているため、研究計画は概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、ダイニン2およびIFT複合体をクラミドモナスから精製して、TIRF法を用いて運動の再構成を行う。精製されるダイニン2やIFT複合体の量を増やすために、用いるタグやラベルするサブユニット、用いるnull変異体を変えることで条件検討を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染が収束しないため、山梨大学で行う予定だった打合せを対面で行うことが不可能であった。代わりの打合せをメールなどのオンラインツールで行ったため旅費が不要になった。翌年度は感染状況をみはからい、対面での打合せや実験などを行うことで未使用分を使う予定である。
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