2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of sodium-selective optogenetic tools for super-precise optical neural manipulation
Project/Area Number |
20K21383
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 圭一 東京大学, 物性研究所, 准教授 (90467001)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | ロドプシン / レチナール / オプトジェネティクス / ナトリウムポンプ / ヘリオロドプシン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Na+のみを高効率で細胞内へ輸送する、細胞内pHの変化など副次効果のない次世代のオプトジェネティクスツールとしての応用が期待される、新たなロドプシンの開発を行う。そのため、2018年に研究代表者の井上らが見出した、既存のロドプシンと膜内での配向が逆転したヘリオロドプシン(HeR)の構造を参考に、外向きナトリウムポンプ型ロドプシン(NaR)の細胞質側および細胞外側表面のアミノ酸の電荷バランスを変えることでタンパク質の配向を逆転し、内向きNa+ポンプへと機能転換することを目標とする。 本年度は前年度研究協力者の古賀(分子研)によってBEdep_AAProf法による計算から示唆された、配向反転のための電荷バランスの変更に適した、NaRの18箇所のアミノ酸の残基位置についてアミノ酸変異体の作製を進めた。 まずボトムアップ的にポイントミューテーションを重ねていく形で、変異体の構築を進める実験については最大で8重アミノ酸変異体を得ることに成功した。一方、BEdep_AAProf法で提案された18箇所全てに変異を同時に行うとタンパク質が失活してしまい、そこからトップダウン的にアミノ酸変異を減らすアプローチを行い、10重変異体で極めて弱い発現を示すものが昨年度までに同定されていたが、本年度はさらに変異を減らした9重変異体についてより良好な発現が見られることを確認した。 これにより両方向からのNaRのアミノ酸変異体の構築が完了したため、Hisタグ導入法(Pushkarev et al. Nature 2019)やNa+輸送活性測定によってタンパク質の配向を評価したが、いずれの変異体においてもタンパク質の反転は見られなかった。従って、次年度以降はN末端にNeurexin 1B-deltaなどの膜貫通ドメインを付加することで、NaR多重変異体の配向反転の達成を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は古賀グループによってデザインされたNaRのアミノ酸変異箇所に対して、全ての変異多重度での変異体遺伝子の作製とタンパク質の安定性の評価を完了し、大腸菌中におけるそれらの分子の配向についても評価を行うことができた。これにより分子配向については変化しないものの、タンパク質の安定性やイオン輸送能を保ったまま、最大8~10個のアミノ酸変異の導入が可能であることが明らかとなった。 次年度以降は、これらの結果をもとにして、オプトジェネティクス応用のために必要とされる、細胞発現用のコンストラクトデザインを予定通り進めることができると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果から、NaRの配向を反転するにはアミノ酸のポイントミューテーションだけでは不十分であることが明らかとなった。従って、次年度はそれ以外の方法でタンパク質の反転を試み、目標とする内向きNa+ポンプ型ロドプシンの実現を目指す。そのためにNeurexin 1B-deltaなどの膜貫通ドメインを付加し、N末端が細胞外側に向いた形の偶数回膜貫通構造を持たせることでNaRを反転させることを試みる。その際本年度までの研究で得られた多重変異体を用いることで、野生型NaRを用いる場合と比べてより安定な内向き配向制御が可能になると期待される。
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Causes of Carryover |
想定外の実験結果により、当初計画していた細胞培養実験の一部が次年度に行うこととなり、それに合わせて血清など長期保管が難しい消耗品を次年度に購入する必要が生じたため。
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[Journal Article] Diverse Heliorhodopsins Detected via Functional Metagenomics in Freshwater Actinobacteria, Chloroflexi and Archaea2022
Author(s)
Ariel Chazan, Andrey Rozenberg, Kentaro Mannen, Takashi Nagata, Ran Tahan, Shir Yaish, Shirley Larom, Keiichi Inoue, Oded Beja, Alina Pushkarev
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Journal Title
Environmental Microbiology
Volume: 24
Pages: 110-121
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Structural Basis for Channel Conduction in the Pump-like Channelrhodopsin ChRmine2022
Author(s)
K. E. Kishi, Y. S. Kim, M. Fukuda, T. Kusakizako, E. Thadhani, E. F. X. Byrne, J. M. Paggi, C. Ramakrishnan, T. E. Matsui, K. Yamashita, T. Nagata, M. Konno, P. Y. Wang, M. Inoue, T. Benster, T. Uemura, K. Liu, M. Shibata, N. Nomura, S. Iwata, O. Nureki, R. O. Dror, K. Inoue, K. Deisseroth, H. E. Kato
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Journal Title
Cell
Volume: 185
Pages: 672-689.e23
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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