2020 Fiscal Year Research-status Report
花粉細胞を仮死状態からリリースする分子メカニズムの解明
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20K21417
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 壮太 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90716713)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 花粉 / 休眠 / 発芽 / 脂質体 / 小胞体 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)LDのテザリング-リリースモデルの証明 本研究では花粉内でLDと小胞体が癒着した構造を取っていることに着目する.これまでの研究で、シロイヌナズナにおけるアイソフォームa(VPS13a)を欠損した変異体では、花粉発芽時にLDが小胞体からリリースされない事を見出してきた.一方、その他のVPS13とは異なり、AtVPS13aは 中央部にC2と呼ばれるカルシウム依存的な膜結合ドメインを持つ.従ってVPS13aは特殊なVPS13であり、発芽花粉においてテザリング活性とカルシウム依存的なリリース活性を併せ持つのではないかと考えた.この仮説を証明するため、本研究ではVPS13aの機能的特異性を明らかにする事を目指す.まず、VPS13aにおいてC2ドメインを削除したところ、花粉発芽能力が失われることが明らかとなった. 2)ライブイメージングと遺伝子操作によるLDの細胞内機能の解析 生細胞におけるLDの可視化系はすでに確立しており、伸長する花粉管の中でそれを捉える事も可能である.一方、LDの形成に関わるSeipinタンパク質の変異体ではLDが巨大化(Taurino et al. 2018)する事が報告されている.これらのラインを用い、LDのサイズと数が変動した状態で光 褪色後蛍光回復法を用いて様々な細胞質構造体(微小管、ミトコンドリア、色素体等)の運動速度を捉える.LDの存在が細胞質の流動に与える影響を精査する.昨年度はseipin変異体を作出した.また、蛍光タンパク質をノックインすることで、VPS13aを可視化する系統を作出することに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
VPS13aは4,000アミノ酸以上の長大なタンパク質であり、機能解析が難しい.一方、昨年度はゲノム編集系を用いて効果的にVPS13aの機能解析を行うことができており、当初の予定より理解が進んだ.また、当初の予定にはないVPS13aの可視化にも成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
1)LDのテザリング-リリースモデルの証明 今年度は、VPS13aの局在を調査し、LDとの相互作用を調査する.また、抗体を用いてVPS13aの局在を調べる. 2)ライブイメージングと遺伝子操作によるLDの細胞内機能の解析 今年度はLDの変異体におけるVPS13aの機能を調べる.また、LDとVPS13aの同時ライブイメージングを目指す.
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Causes of Carryover |
R2年度は、植物栽培用インキュベーターの導入を予定したが、他の実験計画に予定変更が生じ栽培スペースに猶予ができたため新規導入の必要がなくなった.一方、R3年度は準備した実験材料の解析が増えることが見込まれた.従って当初インキュベーターに使用予定であった該当経費をR3年度に充てるのが有用になると判断した.
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