2020 Fiscal Year Research-status Report
植物細胞分裂における微小管形成と切断の協力関係を理解する
Project/Area Number |
20K21424
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 匡良 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任講師 (40553409)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 微小管 / 細胞分裂 / γチューブリン複合体 / カタニン |
Outline of Annual Research Achievements |
植物細胞の増殖と組織における形づくりは正確な細胞分裂の制御に委ねられている。真核生物の細胞分裂は微小管によって実行され、植物細胞では微小管は細胞周期に応じて、表層微小管・分裂準備帯・紡錘体・隔膜形成体といった特徴的な構造を再構築し機能している。中心体のような決まった微小管形成中心に依存せずに組み立てられる植物細胞の微小管構造構築機構は謎が多い。微小管形成装置や微小管切断装置が再配置に重要と考えられるが、例えば、どのように微小管はその構造体を紡錘体から隔膜形成体に変化させるか?など重要であるにもかかわらず理解されていない。本研究では、γチューブリン複合体とカタニンの時間的空間的な機能を理解することを目的とし、ライブイメージング中のタンパク質機能阻害技術の確立に挑戦する。本年度は、低い温度でタンパク質分解が誘導できるlt-DegronをカタニンとNEDD1に付加したプラスミドを作成し、植物体に導入した。現在、導入タンパク質の機能を確認するため、機能欠損株との掛け合わせを行っている。lt-degronを付加したNEDD1を持つ植物体は作出できなかったため、他の重合核因子を標的とした植物を再調整している。また、顕微鏡用サーモプレートを設定し、温度調整可能な観察設備を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、狙った時間と場所で微小管形成と微小管切断を不活化させる技術をライブセルイメージングに導入することを目的としており、そのための材料が揃ってきているため。
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Strategy for Future Research Activity |
狙った時間と場所でタンパク質が不活化できる植物体を用い、細胞分裂中の微小管形成と微小管切断の物理的・機能的相互作用の解析を行う。γチューブリン複合体とカタニンの各微小管構造体での機能を明らかにするために、赤色蛍光タンパク質で微小管を標識したシロイヌナズナ形質転換体(mCherry-TUA5)に、ltdegronを付加したγチューブリン複合体因子及びカタニンを発現させる。特に、微小管形成に依存した微小管切断や微小管切断に依存した微小管形成に注目し解析を行う。
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Causes of Carryover |
研究遂行に係る旅費についての支出額はコロナ禍ということもあり予定していた研究打ち合わせや実験の都合上、回数が減少した。物品費の差額については一部の実験を次年度へ延期したために生じた。そこで次年度において研究計画で示した実験とともに延期した一部の実験や解析を追加して行う。
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